小泉進次郎農相の米価対策に専門家が異論「下手に動かれるより…」フジ情報番組

コメ流通評論家の常本泰志氏が13日、フジテレビの情報番組「サン!シャイン」にリモート出演し、小泉進次郎農相が前日に発表した米価高騰対策について言及した。小泉農相は、無関税のミニマムアクセス(最低輸入量)による主食用米の輸入を前倒しすると発表している。

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備蓄米放出とミニマムアクセス米の前倒し

毎年最大10万トンが調達されるミニマムアクセス米のうち、初回分として3万トンを対象とする。例年は9月だった入札を6月27日に実施し、9月下旬には事業者に引き渡される予定で、約3カ月早く市場に出回ることになる。政府は高騰が続くコメ価格の引き下げのため、既に備蓄米の放出を進めているが、在庫が少なくなっているため、輸入米も投入することで市場の不足感を和らげる狙いがある。小泉氏は、ミニマムアクセスの前倒しとは別に「緊急輸入」も排除しない考えを示唆したが、国内農家の強い反発が予想され、ハードルは高い状況だ。

高騰する米価と市場の反応

全国のスーパーで5月26日~6月1日に販売されたコメ5キロ当たりの平均価格は、前週比37円安の4223円となり、約半年ぶりに2週連続で下落した。しかし、小泉農相は「私の認識ではまだ十分下がってない」と述べている。農林水産省は12日、随意契約で放出した備蓄米が、沖縄県を除く46都道府県の店舗で販売されたことを確認したと発表している。

専門家の見解:政策への懸念と評価

常本氏は、小泉農相の政策決定について「1つの政策でここまでいろんな方に影響が出てきてるんですよ、コメの末端っていうのは。だから下手に今、政治主導で動かれるよりはちょっと待っていただきたいなというのがあります」と懸念を示した。

これに対し、経済学者の成田悠輔氏は「逆に言うと今、価格が凄く上がっちゃってるわけじゃないですか。だから、政府としては下げるというのを最優先にしないといけないわけじゃないですか。様子をみて結局そこで新米が足りませんでした、となったらあと何カ月かずっとコメの価格が高止まりしちゃうのを未然に防ごうという意図なんじゃないかと思うんですけど、そのあたりはどうなんですか?」と政府の意図を尋ねた。

常本氏はこれに応じ、「それは備蓄米が例えば60万トン出た段階、小泉さんのお米がすべて出た段階で民間市場っていうのは下がってます」と述べた。そして、「そもそもの目的っていうのは民間の価格、要はJAさんから卸売りに流れる価格よりもはるか高い値段で民間市場が動いてるんですね。その高い価格を下げる目的でこの備蓄米の放出ってされてるんですけれども」と解説。当初、江藤元農相が担当していた頃は「価格にコミットしない」と会見で述べていたことにも触れ、「つまり、ある一定以上の価格は担保したうえで量を出しますよっていうのが、いつの間にか価格にすり替わっちゃってるんですよね。それはもちろん世論的な問題もありますしメディア的な問題もあるとは思うんですけれども、それに対して受けのいい価格に振っていったというのが小泉さんのやりかたなのかなと思っています」と、政策の焦点が量から価格へ移行した背景にあるのは世論やメディアの影響ではないかとの見方を示した。

まとめ

小泉農相によるミニマムアクセス米輸入の前倒しなど、米価高騰に対する政府の対策が進められています。一方で、市場関係者からは拙速な政治主導への懸念も示されており、米価の安定化に向けた今後の動向が注目されます。

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