開会中の大阪市議会本会議で28日、自民党の市議が「今後5年、10年後も歌い続けたい歌」として大阪市歌を熱唱する一幕があった。同市では、大阪市を廃止し特別区に再編する大阪都構想の議論が大詰めを迎えており、推進派の大阪維新の会と公明党が主導する形で、来年には制度案が固まる見通し。一方、自民市議団では反対論が根強い。
自民の田中宏樹市議は、この日行われた一般質問で、松井一郎大阪市長(維新代表)に対し、「特別区移行で生じるコストの財源が確保されていない」など、都構想の財源問題や職員態勢について疑義を表明。「単に大阪市を解体する事実がほしいだけだ」などと非難した。
その上で、すべての質問終了後、「少し時間がありますので」と切り出し、3番まである市歌のうち1番を歌った。「市長もご一緒に」と声をかけられた松井氏は歌わなかったが、一部自民市議が一緒に歌った。
終了後、取材に対し、田中氏は「大阪市や市歌が好きだという個人としての思いがあり、時間が余れば歌おうと考えていた」と説明。松井氏は「(市歌じゃなく)国歌でいいと思う」と苦笑していた。
大阪市歌は大正10年に制定された。