電気自動車(EV)などの製造に欠かせないレアアース(希土類)について、インド政府が同国の資源開発公社「インディアン・レアアース(IREL)」に対し、日本への輸出を停止して、国内供給に回すよう求めた。ロイター通信が13日、関係者の話として報じた。
中国が4月、トランプ政権の「相互関税」に反発して7種類のレアアースの輸出管理を強化したことを受けた措置だという。インドはこれまで国内の処理能力不足のためレアアースを輸出してきたが、今後は国内での採掘と処理の能力拡大を目指し、レアアースの中国依存度を下げる方針だという。インドのレアアース埋蔵量は世界5位。
日印両政府が2012年に結んだ協定に基づき、IRELは豊田通商の子会社にレアアースを供給してきた。関係者の一人はロイター通信に、インドのゴヤル商工相が自動車業界幹部などとの会合の場で、ネオジムなどの輸出を停止するようIRELに要請した、と明かした。ネオジムは、EVやハイブリッド車(HV)に用いられるモーターの生産に不可欠な「ネオジム磁石」の材料となる。
朝日新聞社