東京都港区赤坂で発生した女性刺傷事件は、社会に大きな衝撃を与えました。この事件で殺人未遂の疑いで逮捕されたのは、陸上自衛隊員の大津陽一郎容疑者(43)です。被害女性と容疑者の間にどのような関係があったのか、そして事件の背景には何があったのか、詳細が明らかになりつつあります。
事件の発生と逮捕
10月16日午前、赤坂の雑居ビル地下1階にあるライブハウスで、出演予定だった40代の女性が刃物で刺され重傷を負いました。開場数分前の出来事であり、現場は一時騒然としました。
事件発生から6日後の未明、警視庁は殺人未遂の疑いで大津陽一郎容疑者を逮捕。容疑者は国家公務員であり、練馬区に勤務する陸上自衛隊員でした。捜査当局の調べによると、容疑者は犯行当日、2時間以上にわたって女性を待ち伏せし、手袋をはめ、靴をカバーで覆うなど、周到な準備をしていたとみられています。
殺人未遂の容疑で逮捕された大津陽一郎容疑者
容疑者の不可解な行動と供述
大手紙の社会部記者によると、大津容疑者は10月16日朝6時半から正午にかけて、勤務先である練馬区の駐屯地と赤坂間を自転車で往復したとみられています。さらに、23日の捜査関係者への取材では、犯行前後で複数回にわたる服装の着替えが確認されました。容疑者は自宅を出た後、まず駐屯地に立ち寄り、青い上着を羽織って練馬区から赤坂へ向かったとされます。女性を襲撃する直前には黒い上着に着替え、逃走途中と駐屯地に戻って帰宅する間にも一度ずつ服装を変えていたとのことです。
警察の取り調べに対し、大津容疑者は「赤坂に行っていない」と犯行を否認しています。しかし、被害女性とは知人関係であることを認めており、この供述の矛盾が捜査の焦点となっています。
被害女性との「男女の関係」とトラブルの可能性
事件の背後には、容疑者と被害女性の間に過去の「男女の関係」があったとの見方が強まっています。警視庁のその後の調べでは、容疑者の自宅から被害女性と容疑者が一緒に写る写真が押収されました。この写真は数年前、飲食店内で撮影されたものとみられています。
大津容疑者は「9年ほど前に女性と知り合った。今年6月に関係の解消を告げられたが円満破局だった」と主張しています。しかし、捜査当局は両者の間に何らかのトラブルがあった可能性を視野に入れ、慎重に捜査を進めています。
大津容疑者は朝霞駐屯地所属の二等陸曹で、2000年3月に陸上自衛隊に入隊。その後結婚し、妻との間に子供をもうけています。6年前には自身の名義で一軒家を購入し、家族と暮らしていました。
近隣住民が語る容疑者の素顔
報じられている事件の背景とは裏腹に、大津容疑者の近隣住民からは、家庭円満な印象を持たれていたようです。近所に住む70代の女性は、容疑者が家族思いの良い夫であり父親であるように見えたと証言しており、今回の逮捕に驚きと戸惑いを隠せない様子です。
この事件は、計画的な犯行の可能性や容疑者と被害女性の複雑な関係など、多くの謎を残しています。警察は事件の全容解明に向け、さらなる捜査を進めています。





