米価格高騰とコメ不足の懸念が広がる中、農林水産省の小泉大臣は、国内のコメ販売・在庫状況に関する大規模調査の実施を発表しました。この調査は、農水省が食糧法に基づき行うものとしては、2004年のコメ流通自由化以降初めてとなり、価格高騰の原因究明と対策に繋げる狙いがあります。
調査対象と内容の拡大
従来のコメ在庫調査は、ごく一部の大規模集荷業者や卸売業者に限定されていましたが、今回の調査では、その対象を全国の米穀事業者約7万社へと大幅に拡大します。これにより、より網羅的で詳細なコメ流通の実態を把握することが期待されます。本調査で報告が求められるのは、本年6月末時点におけるコメの集荷、仕入れ、販売、そして在庫状況に関するデータです。
農林水産省にて、米価格高騰への対策としての調査について語る小泉大臣
大臣のコメントと今後の展開
小泉大臣は閣議後の記者会見において、米価格高騰について「なぜこれほどまでに価格高騰が起きたのかは、多くの国民が強い関心を寄せている点です。この原因究明を着実に進めることは、我々農水省が農政に対する信頼を勝ち得る上で、極めて重要な課題である」と述べ、本調査の意義を強調しました。また、今後の調査対象については、既存の米穀事業者に加え、中食、外食、小売業者なども含める方針を明らかにし、関係者へのヒアリング調査などを実施しながら、7月下旬を目途に調査結果の速報やとりまとめを目指すとしています。
結論
今回の7万社を対象とした調査は、複雑化するコメ流通の現状を明らかにし、米価格高騰やコメ不足といった課題への根本的な理解と対応に繋がる第一歩です。調査結果の分析が、今後のコメ政策に重要な示唆を与えることが期待されます。
情報源:農林水産大臣の発表内容に基づく。