アメリカのトランプ大統領は、中東情勢の激化を受け、カナダで開催されていたG7サミットへの参加を途中で切り上げ、急きょ帰国しました。一部アメリカメディアは、もしイランが停戦協議に応じなければ、アメリカ軍がイランの核施設を攻撃する可能性を検討していると報じています。
日本時間の18日未明、トランプ大統領は自身のSNSに、イランの最高指導者ハメネイ師を示唆する形で、強い言葉を用いて降伏を迫るメッセージを投稿しました。「我々は、いわゆる『最高指導者』がどこに隠れているか正確に把握しています。彼を標的にするのは簡単ですが、今のところ手を出すつもりはありません(殺さないということです)」と述べた上で、「無条件降伏しなさい!」と要求しました。
緊迫度を増す中東情勢に対応するため、トランプ大統領はG7サミットを初日で切り上げるという異例の緊急帰国を決めました。帰国理由について「帰国しなければいけなくなりました。重要な件です」と説明しています。ワシントンへ戻る大統領専用機内では、改めてイランに対し「核開発を完全に諦めろ」とのメッセージを発しました。「終結です。停戦ではなく、真の終結です。(イランには)完全に“放棄”してもらいたいのです」と、核開発の完全放棄を求めました。帰国後、トランプ大統領はすぐにホワイトハウスの地下にある作戦指令室で会合を開き、イランへの具体的な対応について協議を行った模様です。
イラン情勢緊迫化を受けG7を早期離脱し緊急帰国したトランプ大統領
一方、イスラエルによる攻撃は激しさを増しています。イラン国営放送への攻撃から辛うじて避難した職員であるユネス・シャムル編集長は、手に血が付いた痛ましい状態で当時の状況を説明しました。「同僚が何人も中にいて、私は1階にいました。何人が殺害されたか、生き残っているか分かりません。避難勧告が出されましたが、イスラエルの残虐さを世界に見せるため私たちは最後まで粘りました」と語り、過酷な状況を証言しました。
これを受け、日本政府は17日夕方、イランの「危険情報」レベルを、最も高いレベル4の「退避勧告」に引き上げました。これにより、日本政府は自国民に対し、イラン全土からの退避を強く推奨しています。イスラエル軍の発表によると、攻撃はテヘラン中心部の司令部も標的としており、イラン最高指導者であるハメネイ師に最も近い存在とされる幹部司令官も殺害したとしています。
さらに、トランプ政権によるイランへの軍事介入の可能性も取り沙汰されています。ニュースサイト「アクシオス」の報道によれば、トランプ政権はイランに対し、核開発放棄を含めた高官協議を今週中に行うよう呼びかけているとのことです。もしイランがこの呼びかけに応じない場合、アメリカ軍が保有する、地下深くにある施設も破壊可能な大型爆弾である「バンカーバスター」を用いた攻撃を検討していることも示唆されていると報じられています。
現在のイラン情勢は極めて緊迫しており、トランプ政権からの強い圧力と、イスラエルによる攻撃激化が同時に進行しています。これに対し、日本政府は情勢の危険性を鑑み、イラン全土への退避勧告を発出するなど、警戒を強めています。アメリカによる軍事行動の可能性も報じられており、今後の動向が注視されます。
【参考資料】
テレビ朝日系列「グッド!モーニング」2025年6月18日放送分
(Source link: https://news.yahoo.co.jp/articles/d73d393cccaf6adb863eda0b14299f523b7fa0c9)