第三者委員会による「性暴力」認定報告書公表後も収束しない元タレント・中居正広氏(52)を巡るフジテレビ関連の女性トラブル問題。委員会が中居氏側とのやり取りを打ち切った後、社会学者・古市憲寿氏(40)が被害女性の代理人弁護士へ質問状を送付し、新たな展開を迎えている。
第三者委員会の報告と中居氏側の反論、そして対応終了へ
問題は、フジテレビと親会社のフジ・メディア・ホールディングス(FMH)が設置した第三者委員会が、3月31日に公表した調査報告書で中居氏と元フジテレビアナウンサー女性とのトラブルを世界保健機関(WHO)の定義に基づき「業務の延長線上における性暴力」と認定したことに始まる。
この認定に対し、中居氏側代理人弁護士は5月12日、「権利救済」のため認定に至った証拠開示などを要求。委員会はこれを拒否したものの、中居氏側は5月23日、30日と再度文書を送付し、報告書を「だまし討ち」「重大な人権侵害」と強く反論。中居氏自身も報告書に対し「愕然とした」「驚愕した」と述べていることを表明した。
これを受け、委員会は6月3日、「貴職らの見解と当委員会の見解の間には、依然として大きな隔たりがあり、埋め難い」「貴職らとの一連のやりとりが、被害者に二次被害を与える危険性があることを懸念しており」を理由に、今後の貴職らとのやり取りを差し控える旨を通告し、中居氏側との接触を打ち切った。
フジテレビ関連の性暴力報道で注目される中居正広氏(提供:ピンズバNEWS)
社会学者・古市憲寿氏の介入と質問状の内容、広がる波紋
委員会とのやり取りが終了し、中居氏側からの直接的な動きがない中で、中居氏と共演経験も多く親交が深い社会学者・古市憲寿氏が動いた。古市氏は6月12日、自身のX(旧Twitter)アカウントにて、週刊文春の報道で「X子」さんとされた被害女性の代理人弁護士宛に質問状を送付したと公表した。
古市氏は質問状を送付した目的について、「『週刊文春』記事に『私や私の代理人に確認もせず』という一文があったこと、また看過できない誤認があったため、この質問状を出すことにしました」と説明している。添付された全8ページの質問状には、以下の7項目について「確認」を求める内容が記されている。
- (1)「失恋事案」発言がなかったことの確認
- (2)メディア報道が冤罪を生まないために
- (3)誰が「示談書の内容」を漏洩したのか
- (4)「9000万円」解決金に関する報道は事実か
- (5)第三者委員会と中居正広さん代理人弁護士の「見解の相違」
- (6)今後の確認について
- (7)回答について
この古市氏による被害女性側代理人弁護士への異例の質問状送付は、多くの意見や疑問を呼んでいる。特に、自身とは直接関係がないと思われる「示談書の内容」漏洩について問う点や、公になっていない被害女性側弁護士を特定して質問状を送付した行為に対し、「なぜ中居氏の代理人弁護士ではなく古市氏がこのような行動をとるのか」「まるで中居氏の代理人のようだ」といった疑問や批判の声が、ワイドショー関係者などから上がっている。
今後の行方に注目
このように、中居正広氏とフジテレビを巡る一連の騒動は、第三者委員会の対応終了後も、社会学者である古市憲寿氏の異例の質問状送付によって新たな局面を迎えており、依然として沈静化の気配を見せていない。複雑な状況は続いており、今後の展開に注目が集まっている。