【ワシントン共同】イスラエルとイランの交戦が続く中、トランプ米大統領の支持者同士が米国の関与を巡り対立している。共和党の伝統的タカ派はイランの核施設破壊にとどまらず体制転換させることも辞さない強硬策を唱えるが、トランプ氏の元側近スティーブ・バノン氏らは「異国の戦争」介入に反対。「米国第一」の下に結束してきた支持層の亀裂が深まっている。
「(最高指導者)ハメネイ師が姿を消して、より望ましい体制に取って代わったら世界は良くなる」。共和党重鎮のグラム上院議員は16日夜、テレビ番組で訴えた。共和党の強硬派は、イスラエルによる攻撃でイランは弱体化しており、米国も加勢すればハメネイ師を排除し体制転換できる絶好の機会だとみる。
一方、バノン氏は16日、右派のポッドキャストで、米軍を投入したイラク戦争は泥沼化し「成功しなかった」と指摘。米国第一主義運動「MAGA」が集中すべきは、米国内でエリート層が形成する「ディープステート(闇の政府)」と戦うことだと主張した。