イスラエルとイランの交戦が続く中、中国の薛剣(せつけん)駐大阪総領事がX(旧ツイッター)に、ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)を実行したナチス・ドイツとイスラエルを同一視する投稿をしていたことが分かった。投稿は14日付。これを受け、イスラエルのコーヘン駐日大使は19日、自身のXで「恥ずべき行為であるだけでなく、反ユダヤ主義的で危険であり、かつホロコーストの記憶に対する侮辱だ」と非難した。
薛氏は14日の投稿で、カギ十字をあしらったナチス時代のドイツ国旗とイスラエルの国旗を並べた表を掲載。ナチスは「ユダヤ人を虐殺」、イスラエルは「ユダヤ人が虐殺」などと主張した。さらに、ナチスにとって「米国は敵国」であり、イスラエルにとって「米国はATM」だと書いた。
コーヘン氏は19日の投稿で、「イスラエルはイランから自国を防衛している」と強調。イランは「核兵器を使ってイスラエルを全滅させると公然と脅している」と非難した。その上で、「日本で反ユダヤ主義や扇動行為が許されるべきではない」と主張。日本外務省に対し、「迅速かつ断固とした対応」を求めた。(岡田美月)