【AFP=時事】政府は15日の閣議で、2025年版防衛白書を了承した。中国軍機による日本の領空侵犯が初めて確認されるなど、日本周辺での中国軍の活動が拡大していることについて、「わが国の安全保障に深刻な影響を及ぼし得る状況になっており、強く懸念される」と表明した。
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白書によると、昨年8月には中国軍機が日本の領空を侵犯。さらに同9月には、中国軍の空母など3隻が台湾に近い日本の与那国島と西表島の間を航行した。
白書は中国の軍事動向について、「これまでにない最大の戦略的挑戦」であるとの表現を踏襲した。
白書は、中国とロシアの合同軍事演習について、日本に対する武力誇示を意図しているのは明らかだと指摘している。
また、北朝鮮の行動が日本の国家安全保障にとって、「従前よりも一層重大かつ差し迫った脅威となっている」と改めて強調した。
英紙フィナンシャル・タイムズ紙が12日に報じたところによると、米国防総省は、米国と中国が台湾をめぐって戦争に突入した場合、どのような役割を果たすのかを明確にするよう、日本とオーストラリアに圧力をかけている。
この問題は、日本からの輸入品に対して8月1日から課される25%の関税を回避するための日米間の貿易交渉でも議題となっている。【翻訳編集】 AFPBB News