元衆院議員の金子恵美氏(47)は19日、TOKYO MXの番組「堀潤Live Junction」にコメンテーターとして出演し、立憲民主党の野田佳彦代表(68)が内閣不信任決議案の提出を見送る意向を正式に表明したことについて自身の見解を示しました。政治評論家としても活動する金子氏は、野田氏の決断の背景にある思惑を読み解き、かつての同僚である小沢一郎氏の批判にも言及しました。
元衆院議員で政治評論家の金子恵美氏
野田氏が見送りの理由を説明
野田代表は同日、国会内での記者会見で、内閣不信任案の提出見送りの理由として「大事な外交努力をしなければいけない。危機管理上の問題もある時に政治空白をつくるべきではない」と述べました。中東情勢や関税交渉といった差し迫った課題への対応を優先した決断であると説明し、この判断が弱腰だとの批判に対しては、「イスラエルとイランからの邦人退避など危機管理に関わる問題だ。弱腰ではなく、責任ある態度だ」と反論しました。
金子氏の独自見解と小沢氏への同調
金子氏は、党内にあった「政治空白を作るべきではない」という慎重意見について「まったくその通りで妥当」であるとしつつも、「野田さんにとっては出さなくていい理由をずっと探しててここに落ち着いたかなって私は思っていて」と、別の側面から野田氏の真意を推測しました。
MCの堀潤氏が「野田さんはあんまり出したくなかった?」と問いかけると、金子氏は「絶対出したくない」と断言。その理由として、選挙になった場合の野党側の態勢の未整備や、衆院で過半数を超えている与党の体制を崩す必要がないとの判断があったのではないかとの見方を示しました。
さらに金子氏は、立憲民主党の小沢一郎衆院議員が「(不信任案が)通らない時には出すのに通るってなった時に出さないっていうのは何事だ」と批判したことに触れ、「これは私は正論だと思っていて」と小沢氏の指摘に同調しました。野田氏が代表就任時に「もう1回総理を目指すんだ!」と語り、「政権交代こそが政治改革なんだ」と訴えていたことに触れ、「(不信任案を)出したらすぐ解散しますよって石破さんが言ってたならばこんなチャンスはなかったはずなのに、出せなかった、出しに行かなかったっていうことは出したくなかったんだってことだと思います」と自身の考えを述べました。
決断への疑問を呈す
金子氏は、「私は野田さん大好きで尊敬していたが、ここはちょっとどうしたものかなと思いました」と語り、長年尊敬してきた野田氏の今回の決断に対して、率直な疑問を口にしました。内閣不信任案提出という野党にとっての大きな政治的カードを、解散・総選挙の可能性が示唆された状況で見送ったことについて、金子氏の視点から分析が展開されました。