かつて、富裕層はその服装や趣味、ライフスタイルといった全てにおいて一般大衆と一線を画しており、一目で見分けることが容易でした。例えば、特別な仕立ての服は、着替えの手伝いをする使用人を雇える経済力がなければ手に入れることすら難しかったのです。また、実用的で稼ぐためのスキルよりも、優雅な芸術的教養が重んじられる社交界の場には、誰もが馴染めるわけではありませんでした。
現代における「お金持ち」の見せ方
しかし、ここ数十年の間に社会は変化し、「お金持ちらしさ」を見つけることは以前より難しくなりました。その一因は「インフルエンサー」の登場です。彼らはソーシャルメディア上で自身の生活を公開し、写真や動画を通じて豊かさや贅沢なイメージを発信しています。ところが、その多くは実際には経済的に豊かではなく、何かを売るために富を装っているにすぎません。クレジットカードの普及により、誰でも「お金持ちがするようなこと」を体験できるようになり、「お金持ちは見た目も行動も違う」という時代は過去のものとなりました。現代では多くの人がTシャツにジーンズといったカジュアルな服装をしており、カードの与信枠を活用すれば、一時的に優雅な生活を演出することも可能です。このような状況で、見せかけの富裕層と本物のお金持ちを見分けるためには、彼らの持つ価値観や考え方を知ることが有効です。
本物のお金持ちとニセモノの違いを考えるイメージ画像
本物のお金持ちの決定的な違い その1:見せびらかさない
本当のお金持ちは、自分がお金持ちであることをひけらかしません。これは、お金がある状態が彼らにとって「当たり前」だからです。富を誇示することはほとんどなく、支払いをする際にも騒ぎ立てるようなことはありません。札束と共に写真を撮ったり、プライベートジェットの座席でポーズを取ったりすることもありません。これは、一般の人が、ホンダ・シビックに乗っている写真やスーパーで買い物している写真をソーシャルメディアに投稿しないのと同じ感覚です。本物のお金持ちにとって、お金は空気のような存在であり、そのことで真剣に悩む理由がほとんどありません。彼らがお金について深く考えるのは、たいてい、自分がどれだけの資産を持っているかを他人に知られたくない場合であり、どのようにすればそれが知られないかを考えているのです。
本物のお金持ちは、その資産をひけらかすのではなく、むしろ控えめに振る舞う傾向があります。これは、富が彼らのアイデンティティの一部として確立されており、外部への誇示を通じて自己肯定感を満たす必要がないためです。現代社会で富を見せつける人々が多い中で、このような控えめな態度は、本物の富裕層を見分ける重要な手がかりとなります。彼らにとっては、内面的な価値観や、富を背景にした質の高い経験こそが重要であり、表面的な物質主義とは一線を画しているのです。
参考資料:
https://news.yahoo.co.jp/articles/efa1141db360553f15494b7bb7cc38536fe53c3d