アップルが折りたたみ式スマートフォン、「折りたたみ式iPhone(フォルダブルiPhone)」の量産を、早ければ来年下半期にも開始する見込みだ。これにより、現在折りたたみ式スマホ市場をリードするサムスン電子の優位性が脅かされる可能性があり、業界の注目が集まっている。
アナリスト予測と開発状況
アップル関連製品の精密な予測で知られるアナリスト、郭明起氏は、自身のSNSを通じて、協力会社のフォックスコンが今年第3四半期末または第4四半期初めにフォルダブルiPhone関連プロジェクトを正式に開始するとの見通しを示した。実際の量産開始は来年下半期と予想されており、アップルは数年間にわたり折りたたみ式スマートフォンの開発に取り組んできたことが知られている。
サムスンディスプレイからのパネル供給
フォルダブルiPhoneのパネル供給は、サムスンディスプレイが行う見通しだ。郭氏によると、ディスプレイは仕様が確定した数少ない主要部品の一つであり、サムスンディスプレイは2026年の折りたたみ式iPhone供給に向け、年間700万~800万台分のフォルダブルパネル生産能力を構築する計画だという。同社は、サムスン電子の「ギャラクシーZ」シリーズ向けにOLEDパネルを開発・供給してきた実績があり、この分野での経験が活かされるとみられる。
Appleの折りたたみ式iPhoneの予測画像。来年下半期量産開始の可能性が報じられ、Samsungの市場シェアへの影響が注目されています。
目標販売台数と市場への影響
アップルがフォルダブルiPhoneを1500万台から2000万台規模で発注したという噂も流れており、これは発売後2〜3年間での累積需要を反映した数量と見られている。これは年間換算で少なくとも500万台以上の販売を想定している計算となり、昨年のサムスン電子のギャラクシーZ Fold6およびFlip6合計販売台数約521万台に匹敵するか、それを上回る水準だ。この数字は、アップルが折りたたみ式スマホ市場におけるサムスン電子の現在の地位を本気で狙っていることを示唆している。
プレミアム価格帯と市場競争
フォルダブルiPhoneの価格帯は「プレミアム」レベルになると郭氏は予測しており、多くの業界関係者は、韓国国内基準で最低約23万6千円とされるギャラクシーZ Fold6よりも高額になるとの見方を示している。サムスン電子は2019年に折りたたみ式スマホを投入して以来、この分野で一貫してシェア首位を維持してきたが、近年は市場全体の伸び悩みや、中国メーカーの低価格モデル参入による競争激化に直面し、苦戦を強いられている状況にある。
結論
アップルによる折りたたみ式iPhoneの投入が現実味を帯びてきたことは、今後のスマートフォン市場、特に高価格帯の動向に大きな変化をもたらす可能性がある。プレミアム価格設定と野心的な販売目標は、サムスン電子が築き上げてきた折りたたみ式スマホ市場の構図を塗り替える可能性を秘めている。アップル参入による競争の行方は、市場全体に影響を与える重要ニュースとして、今後も注視されるだろう。
参照元
https://news.yahoo.co.jp/articles/af04024e75422fbad7a17a16e318932993ebe2ea