『大学図鑑!2026』より:多くの受験生・保護者に選ばれ続ける大学案内の最新版から、法政大学のリアルな姿をお届けします。5000人超の現役生・OB・OGの「ナマの声」を基にした本書が描く法政大学とは――。
大学生活をイメージする受験生や学生たち (Photo: Adobe Stock)
法政大学のイメージと学生像
かつてバンカラなイメージが強かった法政大学ですが、近年は学生自身が「バンカラって何?」と感じるほどその姿は変化しています。とはいえ、底抜けに明るく、パワーがあり、困難にもへこたれない打たれ強さを備えた学生気質は今も健在です。新しい学部を増設したり、キャンパスの施設を刷新したりと、イメージアップの努力は見られますが、方向性が多岐にわたりすぎて迷走気味という見方もあります。企業からの評価も一定のレベルにあるものの、MARCHグループ内ではやや微妙な立ち位置にあると言えるでしょう。
MARCH内での立ち位置と受験難易度
世間一般では、法政大学はMARCHの中では他の大学にやや劣ると評されることがあります。しかし、そのイメージを鵜呑みにして安易に受験に臨むと、普通に不合格となる受験生が毎年後を絶ちません。法政大学は長い歴史を持つ名門校であり、「なんとなく受けてなんとなく受かる」ような大学ではないという事実を強く認識する必要があります。偏差値だけでなく、その実質的な難易度は決して低くありません。
学術面での強み:有名教授の宝庫
隠れた強みとして、法政大学は有名教授の宝庫である点が挙げられます。学会で研究内容が極めて高く評価されている実力派の教授から、メディアで連日活躍する知名度の高い教授まで、その顔ぶれは非常に充実しています。「一流の学者から直接、高度な学問を深く学びたい」という意欲を持つ受験生にとって、入試偏差値のイメージに比べて、法政大学はまさに「穴場」と言える可能性を秘めています。
学部構成と学生の意識
現在、法政大学には15もの学部があります。学部間の間に明確なヒエラルキーや優劣意識は特に見られません。日本最古の私立法律学校である「東京法学社」を起源とする法学部は、大学の伝統を象徴する学部とされていますが、残念ながら法学部生自身がその伝統を強く意識しているわけではないようです。学部が増え、多様化が進んだ結果、伝統学部への帰属意識は薄れているのかもしれません。
学生が語る「本音」
ある学生が語った「ウチ(法政)は第一志望で入ってくる人が比較的少なくて、同じようにコンプレックスを感じている人が多いから、妙な一体感がある」というコメントは、多くの学生の「本音」を代弁していると言えるかもしれません。しかし、その「コンプレックス」が変な悲壮感につながっているわけではないのが法政大学の学生の特徴です。むしろ、多様なバックグラウンドを持つ学生同士が、それぞれの目標に向かって明るく前向きに取り組んでいる姿が見られます。
結論
法政大学は、学生の本音に触れると、必ずしも第一志望でなく入学した者の「コンプレックス」も存在するものの、明るく打たれ強い学生が多く、著名な教授陣から高度な学びを得られる「穴場」としての側面も持つ大学です。MARCHグループ内での立ち位置は微妙とされる一方、その歴史と実績は揺るぎなく、受験においては決して油断できない名門校であることに変わりはありません。学生のリアルな声に耳を傾けることで、偏差値だけでは測れない法政大学の実像が見えてきます。