テレビ朝日で人気企画を手がけ、「ナスD」の愛称で知られる友寄隆英氏に人事異動が発令された。これは、過去に問題となった不適切経費の使用や複数のスタッフへのパワハラ行為による降格処分を受けてのものであり、局内では「左遷」との見方も出ている。
テレビ朝日の人気企画で活躍したナスD氏(友寄隆英氏)の姿
不適切経費使用とパワハラ行為の経緯
テレビ朝日は今年3月、当時コンテンツ編成局第2制作部エグゼクティブディレクターだった50歳(当時)の社員が、会社経費を不適切に処理し約517万円を不正に受領していたこと、および複数のスタッフに対して人格否定を含むパワーハラスメントを行っていた事実を公表した。社内調査の結果を受け、この社員は「降格処分」となったことが発表された。
この処分を受けた社員こそ、「ナスD」こと友寄隆英氏だった。友寄氏は2017年に紀行バラエティ番組「陸海空 地球征服するなんて」のアマゾン取材で、現地の果実の汁を全身に塗って肌が黒くなり、その強烈なキャラクターから人気を博した。その後、「ナスD大冒険TV」といった冠番組も持つなど、一社員としては異例の知名度と人気を得ていた。
しかし、前述の不適切経費問題とパワハラ問題が発覚し、責任を取る形で担当番組は打ち切りとなり、降格処分が下されていた。
新部署「アーカイブ運用センター」への異動
降格処分後、友寄氏はしばらく人事局付となり研修を受けていたとされる。今回の新たな人事異動で、彼の配属先は「アーカイブ運用センター」となった。
アーカイブ運用センターは、テレビ朝日が長年蓄積してきた貴重な映像資料を管理・保存する部署である。中には明治時代に撮影された歴史的な映像も含まれるといい、局の財産を守り、番組制作の根幹を支える重要な役割を担っている。しかし、第一線で番組を企画・制作する部署とは性質が大きく異なる。
エグゼクティブプロデューサーという要職まで昇り詰めた友寄氏にとって、今回のアーカイブ運用センターへの異動は、番組制作の現場から離れ、事実上の「左遷」であると受け止められている声が多い。かつて出世街道を駆け上がっていた人物の、今回の問題による完全な「転落」と見る向きが強い。
妻・森崎友紀氏のコメント
友寄氏が降格処分を受けた後の4月、料理研究家で妻の森崎友紀氏(45)は自身のInstagramに夫婦のツーショット写真を投稿した。「至らない所もありますが家族想いで尊敬できる人」「あなたが転んでしまった事に関心はない。そこから立ち上がることに関心があるのだ。」と、夫を支え、前向きに進もうとする思いを綴っていた。しかし、一方で、友寄氏からパワハラを受けたという人々が、この状況やコメントをどのように受け止めているのかは定かではない。
参考資料
https://news.yahoo.co.jp/articles/22f21dc1cd6d3fc0d7fc98a6a9e9b8e4304750c0