闇バイト、特殊詐欺、SNSトラブル、サイバーテロ、性犯罪、違法薬物など、令和の今、手口が巧妙化した物騒な事件が絶えない。
42年間にわたり、凶悪犯罪の第一線で捜査を担当した通称「リーゼント刑事」秋山博康氏は、「スマホの普及に伴って犯罪は巧妙化しているんや。決して、ひとごとではないで!」と、国民全員の防犯意識に“喝!”を入れている。
本記事は、『元刑事が国民全員に伝えたい シン・防犯対策図鑑』から一部抜粋・再編。自身や家族を守るための最新の犯罪手口とその対処法を紹介する。
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■恋は盲目!? SNSロマンス詐欺の末路
昔から「恋は盲目」と言うけど、その盲目っぷりを悪用した「SNS型ロマンス詐欺」が今、猛威をふるっている。コロナ禍で外出の機会が減り、マッチングアプリの利用者が急増したことで、実際に会ったこともない相手に騙されて、大金を奪われる事件があちこちで起きとる。
なかでも特に厄介なのが「国際ロマンス詐欺」というやつで、外国人のフリをして「米軍の軍人です」「パイロットです」なんてカッコいいプロフィール写真で近づいてくるんや。もちろん、ほとんどは偽物やけど、なかには中国マフィアなどの犯罪組織が絡んでいるケースもあるから、本当に外国人が犯人の場合もある。まあ、プロフィール写真のような美男美女はまずありえんけどな(笑)。
「ロマンス詐欺」って名前がついているけど、これ、実はただの結婚詐欺がSNSに舞台を移しただけの話。結婚詐欺(刑法第246条)なんて昔からある古典的な犯罪で、相手と直接会い、結婚話で夢を見させてからお金を引き出す手口。件数自体はかなり減ったけど、今でもしぶとく生き残っているんや。
最近でも腹立たしいことに、警察官を装った結婚詐欺事件が起きた。
犯人は「警察庁の官僚だ」と偽り、「身辺調査に引っかかったから裏工作に金が要る」と嘘をついて、195万円を騙し取った。しかも4年間も騙し続けてたんやから、えげつない話やで。