<3>紛争拡大の可能性は
紛争が拡大するかどうかはイランの「報い」の程度しだいと考えられるが、イランが報復するとしても制限的という見方が出ている。ワイルダー研究員は「イランが報復するかもしれないが、米国は準備が整っている」とし「イラン指導部が米国を攻撃する場合、政権が崩壊する可能性がある」と指摘した。続いて「今回の空襲は米国の相当な軍事能力を見せる。北朝鮮は不安を抱き、中国は台湾攻撃を再考するだろう」と話した。
クローニン部長は「ホルムズ海峡が高リスク戦略要衝地になる」と述べた。イラン議会は前日、世界原油運送量の約20%以上が通過するホルムズ海峡の封鎖案を決議した。イラン最高国家安全保障会議(SNSC)の最終決定が残っているが、現実化する場合、原油価格の急騰など全世界経済に大きな衝撃が予想される。ハイノネン研究員は「他国が紛争に参加しない可能性が高く、非公式チャンネルの対話も進行中」と話した。
<4>金正恩、今回の空襲をどう見たのか
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長には「衝撃」というのが専門家らの意見だ。ランド研究所のブルース・ペネット上級研究員は「米国に軍事作戦遂行の意志がないとみて長く挑発を続けてきた北朝鮮は、米国の軍事行動を不安な目で眺めたはず」と述べた。
マクスウェル副会長も「イスラエルに大規模な軍事作戦を遂行する能力がないイランと、韓国に対する全面戦争能力を保有する北朝鮮は異なるが、イラン爆撃によって金正恩は自分に同じようなこと、さらに深刻なことがあり得ると感じただろう」と分析した。
アインホーン元次官補は「ミッドナイトハンマー作戦で明らかなことの一つは、米軍事作戦の規模と大胆さが非常に印象的という点」とし「ロシア、中国、北朝鮮の指導者はその点に注目したようだ」と話した。
<5>韓半島安保への影響
シェリー教授は「米国のイラン核施設爆撃は平壌(ピョンヤン)には自分たちの核プログラムと政権生存に対する明白な脅威と解釈される」とし「したがって朝鮮半島の緊張の可能性を高める方向に作用するだろう」と予想した。
今回の事態が長期化して米国が中東に没頭する場合、アジア優先戦略の後退が避けられないという声もある。クローニン部長は「米国がイランとの長期的な葛藤に巻き込まれ、中東中心に資源を再配置すれば、アジアの同盟国は独自の防衛強化の必要性をさらに深刻に受け止めなければいけない」と強調した。また「単なる軍備支出増額にとどまらず、地域安保パートナーと協力を深めることが求められる。韓国は日本・オーストラリア・インドのような国との戦略的協力が必須だ」と助言した。