ブラジル公式訪問の全日程を終え、約28時間にわたるフライトを経て6月17日に成田空港へご到着された佳子さま。到着時には疲れた様子を見せず、出迎えの人々に笑顔で応えられました。しかし、その後の23日には予定されていた昭和天皇の武蔵野陵などへのご参拝を取りやめられました。この 佳子さま ブラジル訪問 後の一連の動きと、現地でのご様子、そしてそこから見えてくるものについて詳しく見ていきます。
帰国後の体調と公務取りやめ
6月23日に予定されていた昭和天皇の武蔵野陵および香淳皇后の武蔵野東陵、昭和天皇の多摩陵へのご参拝が取りやめとなったことについて、皇室担当記者からは「かなりハードスケジュールでしたし、お疲れをかなりためられていたと聞いています。大事を取ってお休みになられたのでしょう」との見方が出ています。ブラジルでの過密な日程による疲労が、帰国後の体調に影響したと考えられます。
ブラジル公式訪問を終え、成田空港に到着し笑顔を見せる佳子さま
異例の「お召し物」外交とその意図
今回のブラジルご訪問では、佳子さまの「装い」が日本国内だけでなく現地メディアでも注目されました。特に印象的だったのは、現地で贈られたネックレスやバッグを滞在期間中にお使いになったことです。最終日に世界遺産「イグアスの滝」を視察された際には、サンパウロで懇談した職人が手がけたネックレス(政府主催の午餐会で外相に贈られたもの)を身につけられました。また、マットグロッソ・ド・スル州の学校訪問時には、同州知事に贈られた地元ブランド「ZANIR FURTADO」の黒いレザーバッグをお持ちになっていました。
これらの行動は、これまでの皇室の慣例からすると珍しいケースだと宮内庁関係者は指摘します。贈られてすぐ装いに取り入れ、ロゴや由来がわかるものを使用することは、「公平性の原則」から外れる可能性があると認識されてきたためです。しかし、元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司さんは、外相や州知事といった公的な立場の人から贈られたものであるため問題はないとの見解を示しています。
ブラジルご訪問中に着用され、絶賛の声があがった水玉のワンピース姿の佳子さま
放送作家のつげのり子さんは、現地のブランドや職人が作ったアイテムをお使いになったことは、ブラジルの人々が「自分たちの国のものを身につけてくれた」と感じ、佳子さまへの親しみを深めたはずだと語り、日本に対して好意的な感情を広げる上で大きなプラスになったと評価しています。これは、お召し物を通じて相手国への敬意と親善の意思を示す、新しい形の「装い外交」とも言えるでしょう。
SNSでのハプニングと宮内庁の対応
ブラジルご訪問中には、プライベートでの移動中にハプニングも発生しました。佳子さまが民間機で移動されている際の“寝顔”が、乗り合わせた人物によって動画で撮影され、SNS上で公開されたのです。この投稿に対し、宮内庁はガイドラインに違反していないかX社に問い合わせるという異例の対応を取りました。
皇室担当記者によると、佳子さまご自身もこの投稿やSNS上の反応をご覧になり、不快の念を示されていたといいます。最終的にX社は削除は困難と回答しましたが、ご訪問中にこのような対応が取られたことは、ご本人の意向が強く影響した可能性を示唆しています。
美智子さまに共通する姿勢とは
こうした佳子さまの一連のご姿勢、特に「装い」への配慮やSNS上の反応に対する関心には、美智子さま(上皇后さま)との共通点が見られると、前出の宮内庁関係者は指摘しています。かつて美智子さまは、報道を綿密にチェックし、事実と異なる点があれば宮内庁ホームページなどを通じて反論や訂正を求められることがありました。また、「装い」に関しても、熊本地震の被災地を見舞われた際に、小さなくまモンのピンバッジをつけられるなど、相手への配慮を示されることがありました。
親善ファッションに留意し、いわゆる「エゴサーチ」も熱心にされていると見られる佳子さまは、こうした美智子さまの流儀から学び、「美智子さま流の後継者」としての意識を持たれているのではないか、という分析があります。
ブラジル公式訪問という大役を終え、一時的にご公務を取りやめるほどの疲労も見られた佳子さまですが、現地では新しい形の「装い外交」を実践し、SNSでの事案には明確な意思表示をされました。敬愛するお祖母さまである美智子さまから学ばれた姿勢を礎に、佳子さまは今後も「魅せる公務」を進化させていかれることでしょう。