国民民主党の榛葉賀津也幹事長は20日、定例記者会見で、自民党の小林鷹之元経済安全保障担当相のガソリン税暫定税率廃止法案を巡る発言に対し「総理大臣の座が遠くなるよ」と強い憤りを示しました。
国民民主党の榛葉賀津也幹事長が定例記者会見に臨む様子。ガソリン税暫定税率廃止などを巡り発言。
小林氏の「欠陥法案」批判
小林氏は衆議院財務金融委員会の与党筆頭理事として、野党7党が共同提出したガソリン税の暫定税率廃止法案について、20日に「欠陥法案」であるとコメントしました。特に、7月1日から暫定税率を廃止するという内容に対し、「わずか10日間で実施の準備をすることは絶対に不可能だ」と指摘。「極めて政局的なポピュリズムに過ぎない」と強く批判していました。
榛葉幹事長の痛烈な反論
小林氏の批判に関する質問が出ると、榛葉氏は質問の途中ながらもその発言を遮るように「コバホークらしからぬ発言だね」と切り捨てました。さらに、「東京大学ボート部出身の小林さんらしからぬ、スポーツマンシップに欠ける発言だね」と、出身に触れつつ厳しく続けました。
過去の3党合意を強調
榛葉氏が特に問題視したのは、自民党との間の過去の「3党幹事長合意」を軽視するような小林氏の姿勢です。「3党の幹事長合意はいつ行ったんだ!その時期から国民は継続して(暫定税率廃止を)求めていたんだ」と語気を強めました。結論を先延ばしにした挙句、この期に及んで「日数がない」と批判することに対し、「そういう話は自民党内で言え」と突き放しました。そして、自民党の森山裕幹事長(当時)が早期に「(廃止を)やる」と約束したのは、「私との約束ではなく、国民との約束だったはずだ」と、合意の持つ国民への責任を強調しました。
合意内容と「ポピュリズム」論争
問題となっている3党合意は、自民党の森山裕幹事長(当時)、公明党の西田実仁幹事長、国民民主党の榛葉幹事長の3者によって2024年12月に締結されました。この合意文書には、「いわゆる『ガソリンの暫定税率』は、廃止する。」と明確に記されています。榛葉氏は、この明確な合意があるにも関わらず、参議院選挙が近づく中で今回の法案を「ポピュリズム」と非難する小林氏の発言こそが「ポピュリズムだね」と切り返しました。
総理への道への影響に言及
榛葉氏は最後に、小林氏に対し「そんなことばかり言っていると総理大臣の座がどんどん遠くなるよ」と牽制しました。これは、過去に2024年の自民党総裁選への出馬経験があり、将来的な総理の座を狙う小林氏の政治生命に関わる発言として注目されます。
国民民主党の榛葉幹事長による今回の小林元経済安全保障担当相への強い反論は、ガソリン税暫定税率廃止を巡る与野党間の対立と、過去の政治合意に対する認識のずれを明確に示すものとなりました。特に、3党合意の重みと国民への約束を強調する榛葉氏の発言は、今後の政治議論に影響を与える可能性があります。