東京都議選、自民党が過去最低の議席数に転落:住宅価格高騰への対応が鍵か?

都議選で、自民党は127議席中わずか21議席にとどまり、国政政党ではない都民ファーストの会(31議席)に大きく差をつけられました。これは都議会自民党の歴史において過去最低の議席数です。敗因としては、政治資金の不記載問題や岸田内閣の不人気などが指摘されていますが、東京都特有の大都市政策、特に喫緊の課題である住宅価格高騰への鮮明な対応策を打ち出せなかった点が、最大の理由だったと考えられます。

2024年東京都議会議員選挙での自民党の苦戦を示す様子。過去最低議席に終わった都議選の結果(写真:時事通信)2024年東京都議会議員選挙での自民党の苦戦を示す様子。過去最低議席に終わった都議選の結果(写真:時事通信)

東京都が直面する課題:かつてない住宅価格の高騰

東京は世界有数のインフラを誇る大都市ですが、現在、都市活動のボトルネックとなっているのが住宅価格の異常な高騰です。不動産経済研究所の5月データでは、東京23区の新築マンション平均は1億4000万円余と前年比36.1%上昇し、一般勤労者には手の届かない水準です。

かつて東京は水の供給や道路交通、空港容量などの成長限界に直面しましたが、インフラ整備で乗り越えてきました。しかし、住宅価格高騰は、これまでの課題とは質が異なり、乗り越えることが極めて困難に思える異常な状況です。

都議選の主要争点である物価対策において、東京では住宅問題が中心。中古価格や家賃も上昇しており、各党は購入・家賃補助などを提示しましたが、これらは一時的な対策に過ぎません。

応急処置に終わった各党の住宅対策

国政の第一党である自民党には、東京人口集中や今後の住宅供給について、どこにどう増やすかといった抜本的な大都市政策を議論し、提示する役割が求められていました。応急処置にとどまる対応では、有権者の支持を得られなかったと言えるでしょう。

結論

今回の都議選における自民党の敗北は、政治問題や内閣不人気に加え、東京住宅価格高騰という喫緊の課題に対する明確な政策提示が欠如していた結果と言えます。

参考資料

https://news.yahoo.co.jp/articles/be9d4f346f196881fdc97ab5698dc87ec7fbb032