BSテレ東「オードリー春日の知らない街で自腹せんべろ」千葉・行徳編 激安酒場との出会い

BSテレ東で毎週土曜夜10時から放送されている「オードリー春日の知らない街で自腹せんべろ」、通称「じばせん」は、徹底した節約術で知られるオードリー春日俊彰が、初めて訪れる街を気ままに散策し、予算内で最高の「せんべろ」(1000円程度で飲み食いすること)体験を目指すドキュメンタリーバラエティだ。6月21日の放送では、千葉県市川市に位置する東京メトロ東西線「行徳駅」周辺が舞台となった。番組初の千葉県での散策は、驚くほど安いお店での様々なサプライズに満ちていた。

オードリー春日さんがBSテレ東「じばせん」の舞台、千葉県行徳駅に降り立ち、街を散策開始する様子オードリー春日さんがBSテレ東「じばせん」の舞台、千葉県行徳駅に降り立ち、街を散策開始する様子

行徳駅に降り立つ春日

行徳駅に降り立った春日は、「いやぁちょっとアレですね…」といつもの独特な口調で登場。自動改札から広場までの距離が長いという、彼らしい視点の感想を述べた。「うん行徳。知らない街だねぇ」という言葉と共に、今回の「じばせん」が始まった。飲み屋街の場所の見当がつかない春日は、とりあえずあてもなく散策を開始。周辺案内地図を確認すると、寺社が多いことに気づき、その中に「春日神社」の名前を見つける。前回の古墳に続き、今回も自身の名前に反応し、興味を引かれる様子を見せた。

街の情報収集と寄り道

少し歩くと模型店を発見し、恒例の寄り道へ。「私ですけどね」と自信満々に店内に入ると、そこにはミニ四駆やBB戦士など、大人の心をくすぐる品揃えが並んでいた。しかし、自身のミッションを忘れていない春日は、店主に周辺情報を聞き込み。飲み屋は駅の反対側であることや、寺社が多い理由について尋ねると、行徳が徳川家康や宮本武蔵にゆかりのある土地であること、さらに神輿の街でもあるという新情報を得て、模型店を後にした。

行徳の神輿文化に触れる

「じばせん」の本題である店探しの前に、神輿探しへと舵を切った春日。「街の紹介をしたいからね」という理由で模型店から約12分歩き、住宅街へ。目を引く塔を見つけ、「あれじゃない?」と向かったのは「中台神輿」。ここでは「中台製作所 行徳神輿ミュージアム」に立ち寄り、話を伺うことに。100年以上の歴史を持つ中台神輿が制作した豪華絢爛な神輿を見学し、「ちなみにお神輿って一番リーズナブルでいくらからなんですか?」と価格を質問。同社の代表取締役である中臺氏から、店の正面にあるものが3800万円、少し小ぶりなものでも1000万円、一番大きなものは2400万~2500万円など、大きさや装飾で金額が大きく変わることを教えてもらい驚きを隠せない。手作りのため、一台の制作に1年かかる場合もあると聞き、伝統と歴史に感銘を受けつつ、ここでも飲み屋情報をチェック。やはり駅の反対側という情報に加え、「『酒場放浪記』も来てるから」とBSの人気番組である「吉田類の酒場放浪記」のエピソードを聞き、「先生が?」と興奮。春日のBS愛が改めて示されたシーンだった。

いざ、せんべろ店探しへ

ようやく本題の店探しを開始し、駅の反対側へ移動。ロケ開始から1時間半以上が経過しているにもかかわらず、まだ一軒も飲み屋に顔を出していないのが春日らしい。しかし、そこはプロ。ようやくたどり着いた飲み屋エリアでは、精力的に複数の店から情報を得た。はじめに立ち寄った「居酒屋きらく」では、居合わせたお客さんから「せんべろ」に向いているお店の情報を聞き出した。店を出てすぐに、先ほど聞いた「大衆酒場 酔っちゃん」を発見し入店。メニューの金額を確認すると明らかに「安」なお店だと分かるが、油断せずにお通しの有無と税の内外を確認。この日はお通しが300円で、ボリューム満点のサムギョプサルが出ると聞き、「ドラフト1位」に認定したが、店員から別の店の情報を得たため一旦保留にし、次なる店へ。

少し歩いた場所で見つけた「季節料理 安曇野」では、入店すると黄色い声援が。ここでもお通しと酒でシミュレーションし、基準をクリア。本日のお通しが肉じゃがと聞き心惹かれるが、ここも保留にし、さらに散策を続ける。「サンキュー酒場」や「中華酒場 紫源春」といった安価な店を確認し、ついに教えてもらった「大衆酒場 浜一」に到着。賑わっている様子に人気店であることが伺える。ここでも顔出し確認を行い、お通しや価格をチェックして保留に。時間をたっぷりかけても「自腹を切るからには妥協ゼロ」の精神は一切ブレない。

激安酒場「真梨奈」との出会い

早足で散策を続けていると、突然スタッフに呼び止められる春日。なんと、店頭の看板に「ハイボール200円、2杯目より350円」という驚異的なメッセージが書かれた店「居酒屋 真梨奈」を見逃していたのだ。さっそく店内に入り、極安のハイボールとメニュー、お通しの金額と内容を確認し、最終選考に残した。

オードリー春日さんが千葉県行徳駅周辺の散策中、ハイボール200円の激安看板を見つけ驚愕する様子。「じばせん」での酒場探しオードリー春日さんが千葉県行徳駅周辺の散策中、ハイボール200円の激安看板を見つけ驚愕する様子。「じばせん」での酒場探し

3時間の散策、そして決断

ようやく「じばせん」の店選びとなった春日だが、ここでスタッフから「1本目で3時間ですよいま」と、30分番組とは思えない吟味っぷりにお小言が。「こんなことはやめたいんだよ」と本音を吐露する春日だったが、「だけど目に入っちゃったらもうさあ、一回顔出して確認しないとダメじゃない…」と、自身の倹約家かつエンターテイナーとしてのプロ根性を見せた。

3時間かけて散策した行徳の街で、今回「せんべろ」の舞台として選ばれた店は「居酒屋 真梨奈」。少し開いている扉からそっと顔を覗かせ「ただいま」と声をかけると、店内から嬉しそうな「おかえり」の声が返ってきた。

「真梨奈」での最高のせんべろ体験

注文した200円のハイボールにしっかりとレモンを絞り、グラスを傾ける春日。お通しのだし巻き卵をいただき、残り400円の使い道として選んだのは「きゅうりの一本漬け」250円だった。しかし、店長からまさかの品切れを告げられ、「きゅうりはダメ」と言われてしまう。きゅうりの代わりとして大きな「ウリの一本漬け」が出てくると、予想外の展開に思わず笑みがこぼれる。

いざ食べてみると、さっぱりとした味わいに「あぁうまい!」と満足げな声が漏れた。ウリをきれいに平らげ、いよいよ会計へ。ここでまたサプライズが。正確には825円となるはずが、店長が「端数は切り捨てで820円」という粋なサービスをしてくれたのだ。店を出た春日は「いや、サイコーだったね」とホクホク顔。「(浮いた)5円握りしめて春日神社にお参りしていきます」「またお会いしましょう」と行徳の街に消え、番組を締め括った。

春日流の街への愛と番組へのリスペクト

前回に引き続き、今回も街の紹介を欠かさず盛り込んだ春日。BSらしさを追求する点に番組への愛とリスペクトを感じるが、「せっかく街へ来たのだから」という春日自身の街への好奇心と愛情も伺える。飲み屋があるエリアが反対側と知りながらも、その街の名物や名所、特産品があれば足を運ぶ。本題の「じばせん」店探しにたどり着くまで1時間以上かかろうとも、街の紹介をする姿勢は、まさに春日ならではの「じばせん」スタイルなのだろう。スタッフの口からも漏れていたように、これが30分番組の収録時間かと思うほどの長時間ロケ。それ自体を面白いネタにするのはさすが春日だが、同行するスタッフの苦労も計り知れない。どうかスタッフ陣は足腰を丈夫に保ち、時間の制約に囚われ過ぎない今の形で、このユニークな番組が長く続いてほしいと願うばかりだ。

[Source link] https://news.yahoo.co.jp/articles/d357504cb035225ef701ba6e2c516793f554d147