【ワシントン=阿部真司】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は29日、米軍によるイランの核施設に対する攻撃の被害が予想を下回ったとするイラン政府高官同士の通信を米側が傍受していたと報じた。キャロライン・レビット米大統領報道官は同紙の報道に「ナンセンスだ」と反論している。
同紙によると、イラン政府高官は傍受された通信で、米軍による攻撃が予想したほど破壊的ではなかった理由を推測していたという。理由に関する具体的発言は報じられていない。
米軍が22日未明に攻撃したイランの核施設の被害を巡っては、トランプ大統領がイランの核開発を「数十年遅らせた」と主張する一方、濃縮ウランが攻撃前に運び出されていたとの見方も根強く、評価が定まっていない。
トランプ氏は29日放送の米FOXニュースのインタビューで「イランは我々の攻撃を知らなかった」と述べ、濃縮ウランが搬出されていたとの見方を否定し、攻撃の成果を強調した。
トランプ氏は、イランについて「平和的に行動し、これ以上の害を及ぼさないと示せば制裁を解除する」と述べ、核開発計画を放棄すれば対イラン制裁を緩和する考えも示した。