トランプ大統領は1日、米国との貿易協定交渉期限である7月9日の延長は考えていないと述べた上で、日本との合意には引き続き疑念を表明した。
トランプ氏は大統領専用機エアフォースワン機内で記者団に「われわれは日本と交渉した。合意できるかどうかは分からない。おそらくできないだろう」と述べた。
トランプ氏は、日本からの輸入品に「30%か35%、あるいはわれわれが決定する数字」の関税を課す可能性を示唆した。これは、4月2日に発表した24%の関税率を大幅に上回る。
日本は米国で数百万台の自動車を販売している一方で、米国が求めている「簡単なこと」である米国産のコメの受け入れを拒否していると指摘。「だから手紙を書いて、感謝を述べて、われわれが必要としていることがあなた方にはできないと分かっているから、30%か35%、あるいはわれわれが決定する数字を払うよう伝えるつもりだ」と語った。
トランプ氏の発言は以下の通り。
記者「関税猶予の延長は考えているのか?」
トランプ米大統領
「いや、考えていない。猶予のことは考えていない。多くの国に書簡を送るつもりだ。皆もやっとこのプロセスを理解し始めたようだ。
我々は日本と交渉してきたが、合意に至るかどうかは分からない。正直、無理だと思う。日本は非常に手強い。
理解してほしいのは、彼らが非常に甘やかされてきたということだ。
私は日本が好きだ。新しい首相のことも本当に気に入っている。安倍(元首相)は私の最も親しい友人の1人だった。新しい首相(石破首相)は素晴らしい人物で、とても強いリーダーだ。しかし彼らも他国同様、30年、40年と米国から搾取してきたことで甘やかされており、今さら公平な合意を結ぶのは極めて難しい。
日本の例で言えば、彼らはコメを受け入れない。彼らはコメを切実に必要としているのだ。それなのに受け入れない。他の製品も同様だ。必要としているのに受け入れない。これは簡単なことだったと思う。
自動車についても同じことだ。彼らは何百万台と米国に車を送っているのに、我々はこの10年間で1台も送っていない。彼らは受け入れないのだ。だが彼らは売りまくる。だから我々は言った、そんなことは許されないと。
我々は良好な関係にあり、信頼もあり、ある意味で素晴らしいパートナーシップを築いているが、貿易においては非常に不公平だった。そして、そうした時代はもう終わった。
だから私は日本に書簡を送り、『ご協力に感謝するが、我々が求めるようなことができないのならば、30%、35%、もしくは我々が決定する関税を課すことになる』と伝えるつもりだ。我々は日本との間に非常に大きな貿易赤字を抱えており、それは米国民にとって不公平なのだ」