ルビオ米国務長官、訪韓・訪日中止が波紋 – 韓米首脳会談の行方は?

米国のルビオ国務長官は、今週予定していた韓国訪問を突如キャンセルした。これは、ルビオ長官の訪韓を米韓首脳会談の議題と日程を調整する機会と見ていた韓国政府の計画に支障を与えている。李在明大統領はまだトランプ米大統領と対面会談を実現していない中、今回の訪韓中止が今後の韓米首脳会談の早期実現に影響する可能性も指摘される。同時に計画されていた日本訪問も取りやめとなった。

訪韓・訪日中止の背景と異例のタイミング

大統領室関係者は3日、ルビオ長官の訪韓について「米内部の事情上、近日中の訪韓は難しい」との見通しを示し、キャンセルが事実であることを認めた。米国側がキャンセルを韓国側に伝えたのは2日(現地時間)。理由として、7日に予定されているイスラエルのネタニヤフ首相の訪米に伴う米国・イスラエル首脳会談にルビオ長官が同席するため、アジア訪問より中東情勢などを優先する必要がある点を挙げたという。

ルビオ米国務長官。(日韓訪問中止のニュースに関連)ルビオ米国務長官。(日韓訪問中止のニュースに関連)

ルビオ長官は今回の訪韓と同時に計画していた日本訪問も取りやめている。ルビオ長官は国務長官に加え、国家安全保障担当補佐官も兼務しており、外交日程の優先順位を変更したとの解釈も可能だ。しかし、閣僚級の訪韓がほぼ確定していた状況で、予定日の1週間も前に満たない時点でのキャンセルは異例と言える。また、ネタニヤフ首相の訪米とトランプ大統領との会談は、キャンセル通知の数日前の先月30日には既に公表されていた。日程そのものはさらに以前に決まっていた可能性が高く、にもかかわらず訪問直前になって通知した点は注目される。

ルビオ長官の次の目的地と日韓の対応

ルビオ長官は韓国・日本を訪問せず、米国から直接マレーシアへ移動し、10日に開催される東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の外相会議に出席する予定だ。日本は、ルビオ長官が訪日しない状況下でも、この機会を捉えて日米外相会談を進める方針と見られる。

一方、韓国はまだ趙顯(チョ・ヒョン)外交部長官候補者の人事聴聞会日程すら確定しておらず、ASEAN外相会議への長官出席は難しい状況にある。現地(マレーシア)でルビオ長官と韓米外相会談が行われる可能性も高くないと報じられている。ルビオ長官が韓国を訪問しない背景には、このような韓国側の特殊な状況を米国側が優先的に配慮しなかったという解釈も成り立ちうる。

韓米首脳会談に向けた事前協議の課題

ルビオ長官の訪韓中止の背景について、韓米首脳会談に向けた事前議題協議、特に通商分野(関税)や安保分野(国防費)における実務協議の進展の遅れがあるとの指摘が出ている。韓米両国は当初、これらの分野で協議を進展させた上で、李大統領の訪米など首脳会談で合意する構想を描いていたと予想される。

しかし、李在明政権の外交・安保体制が完全に整っていないこと、そしてトランプ政権が最大の関心を持つ関税や安保費用(国防費)の問題で、米国側が満足できる成果を期待しにくいと判断したことが、今回の訪問見送りの要因ではないかとの見方がある。李大統領自身も、先日の就任30日記者会見で関税交渉について「まだ双方が正確に何を望むか明確に整理されていない」とし、「(7月パッケージ期間の)7月8日までに終わるか確言しにくい」と述べるなど、交渉の難航を示唆していた。

首脳会談の実現時期への懸念と中国要因

このように交渉が難航している中、ルビオ長官の訪韓を交渉期間延長を引き出すための契機として活用することもできたが、それも実現しなくなった。先月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)や北大西洋条約機構(NATO)首脳会議をきっかけに推進された韓米首脳会談は、それぞれトランプ大統領の早期帰国や李大統領の欠席で実現しなかった経緯に加え、今回のルビオ長官の訪韓突然のキャンセルは、韓米首脳会談の準備自体にさらなる遅れをもたらす懸念を生んでいる。

最初の韓米首脳会談が9月の国連総会や10月のAPEC首脳会議までずれ込む可能性も提起され始めた。さらに複雑なのは、最近中国が外交チャンネルを通じて9月の戦勝節(抗日戦争および反ファシスト戦争勝利80周年大会)に李大統領を招待したことだ。これは、李大統領がトランプ大統領と会談するより先に中国を訪問するかどうかという、韓米・韓中関係における新たな外交的課題を提示している。

過去の韓国大統領は、朴槿恵元大統領が就任71日目、文在寅前大統領が51日目、尹錫悦前大統領が11日目に最初の訪米または訪韓での首脳会談を実現しており、李大統領の初会談までの期間が注目されている。

ルビオ米国務長官の直前での訪韓・訪日中止は、特に韓米首脳会談の準備や日程調整において、韓国政府の外交努力に予期せぬ支障をもたらしている。今後の両国間の高官級協議の行方と、李在明大統領とトランプ大統領の初対面がいつ、どのように実現するかが注目される。

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