イランのセアダット駐日大使は3日、米国とイスラエルが6月に行った攻撃後も核問題の外交解決を目指す姿勢に変わりはないことを強調した。
その上で、米国との交渉再開には、協議中に再攻撃しない「保証が必要だ」と訴えた。東京都内で時事通信とのインタビューに応じた。
セアダット氏は、米・イラン高官協議が続く中、6回目の協議直前にイスラエルが実施した核施設攻撃を米国が非難せず、これに追随したと批判。「(協議の)テーブルを壊した側が、信頼できる形に修復する必要がある」と米国の出方を見守る方針を説明した。
また、1期目のトランプ米政権が2018年、イランの核開発制限と引き換えに制裁解除を定めた核合意から一方的に離脱したことが対立先鋭化の原因と指摘。「イランは合意が定める義務を100%誠実に履行していた」と述べた。
ただ、イランは米国の離脱に反発し、合意を逸脱する最大60%の高濃縮ウランを製造・保有するなど、核兵器に転用可能なレベルに近づいていた。セアダット氏は「国際原子力機関(IAEA)も、イランが核兵器製造を計画していたとは結論付けていない」と反論。「IAEAの査察を受けていない、イスラエルの隠された核計画の方が中東、国際社会の平和と安全保障にとって大きな危険だ」と主張した。