2mgで致死量「フェンタニル」中毒者だらけの“ゾンビタウン”とは?在米日本人「処方された薬に入ってる」「警察は見て見ぬフリ」


【映像】フェンタニルで“生きる屍”状態になった中毒者

 きっかけは日本経済新聞による報道で、フェンタニルをアメリカに密輸する中国の組織が名古屋に拠点を作っていた疑いが判明、少なくとも2024年7月まで日本から危険薬物の集配送や資金管理を指示していた可能性が浮上したという。フェンタニルはヘロインの50倍、モルヒネの100倍の強さがあると言われ、アメリカでは多い年で8万人が過剰摂取で死亡するなど深刻な問題にもなっている。

 「ABEMA Prime」では事情に詳しい専門家、さらに知人をフェンタニル中毒で亡くしたアメリカ在住者に現状を聞き取り、どこまでその脅威が迫っているのかを検討した。

■“ゾンビドラッグ”フェンタニルの正体と危険性

 薬物の依存症に詳しい科学ジャーナリストの石田雅彦氏は「少量で効果があり安いために蔓延している。フェンタニルの効果を上げるためにキシラジンという別の物質と合体させてもいるが、そのキシラジンは体中の組織を壊死させるために、体が動かなくなってゾンビみたいになってしまう」と説明した。ロサンゼルス在住の実業家・音楽プロデューサーのDJ 2HIGH氏は、多くの知人をフェンタニルによって亡くした。「自分の家から車で5分くらいのところに、ゾンビタウンがある。大きな公園に本当にとんでもない数の中毒者がいるが、警察は見て見ぬふりだ」と、野放し状態になっているという。

 自ら望んでフェンタニルを手に入れる人ももちろんいるが、さらに深刻なのは本人が知らない間に摂取してしまっているケースだ。DJ 2HIGH氏は「医者から処方される薬が偽物で、その中にフェンタニルが入っていることがある。知らずに入っているところが一番の脅威だと思う」とし、この理由について石田氏は「1990年代に製薬会社がオピオイド鎮痛剤は依存性がない、中毒性が低いとPRして広めた。それに対しては今でもアメリカ内で訴訟が起きているほどだ。真に受けた医者が気軽に処方して、あっという間にオピオイドの依存症が増えてしまった。オピオイドが規制され入手が厳しくなったことで、少量でもいろいろなものに混ぜられるフェンタニルが広がった。フェンタニル自体は原材料があればものすごく簡単に作れる」と説明した。



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