2025年7月5日「大津波予言」の真偽と社会影響:なぜデマは広がるのか?

漫画家たつき諒氏による2025年7月5日の「大津波予言」が、いま静かに、しかし確実に社会に波紋を広げています。東日本大震災を「言い当てた」とされる同氏の新たな予知夢は、2011年の津波の「3倍」規模の災害が到来するという内容。この根拠不明な情報がインターネット上で瞬時に拡散し、特に海外で深刻な受け止められ方をしています。経済誌プレジデント元編集長で作家の小倉健一氏が、この現象の深層とその影響、そしてもし実際に災害が起きた場合の心構えについて詳しく分析します。

デマの国境を越えた拡散と現実的な影響

インターネットの片隅から始まった根拠不明の「7月5日大災害予言」は、SNSなどを通じて瞬く間に拡散し、現実世界に影響を及ぼし始めています。特に海外で深刻に受け止められ、香港の航空会社による日本路線の減便や、在日中国大使館による渡航・不動産購入への注意喚起といった異例の事態に発展しました。日本の観光地でも外国人観光客の予約キャンセルが相次ぐなど、科学的根拠のない情報が国境を越えて人々の行動や経済活動を変容させているのです。

2025年7月5日に予測される巨大津波と社会への影響2025年7月5日に予測される巨大津波と社会への影響

なぜ、根拠のない予言や陰謀論は否定が難しいのか

このような予言や陰謀論が否定困難なのは、主流の権威への根深い不信を土台とし、専門家や公的機関による否定を「真実を隠蔽しようとする権力側の動きだ」と解釈する構造があるためです。根拠が「予知夢」のような科学的検証が不可能な個人的体験である点も、反論を難しくします。「科学で証明できない=嘘」という単純な否定は、「科学こそが万能ではない」という反論で容易に退けられます。また、トカラ列島での群発地震発生や、南海トラフ巨大地震の高い発生確率といった検証可能な事実を、「今回の予言が当たる証拠だ」と都合よく結びつける巧妙な語り口も、物語全体の信憑性を高める要因となっています。

根拠のない情報に惑わされず、冷静な備えを

結論として、2025年7月5日の「大津波予言」には科学的根拠がありませんが、そのデマ拡散は既に現実社会に大きな影響を与えています。根拠のない情報に惑わされず、信頼できる情報源に基づいて行動することが重要です。もしもの災害に備えるためには、特定の予言に一喜一憂するのではなく、過去の教訓や科学的予測(例えば南海トラフ地震など)に基づき、日頃からのハザードマップ確認、備蓄、避難計画の準備といった具体的な防災対策を冷静に進めることが最も有効な手段と言えるでしょう。

参照元:https://news.yahoo.co.jp/articles/ffaa3027cd6f79ecd0caa53607a1c87b8b117f55