新幹線殺傷公判「首切り落とそうと思った」


 昨年6月、東海道新幹線で乗客の男女3人が殺傷された事件で、殺人や殺人未遂の罪に問われた無職、小島一朗被告(23)の裁判員裁判の第2回公判が3日、横浜地裁小田原支部(佐脇有紀裁判長)で開かれた。被告人質問で小島被告は「(被害者の)首を切り落とそうと思って、集中的にねらった」などと殺害時の状況を語った。

 小島被告は弁護側の質問に、長野県内でホームレス生活をしていた昨年3月中旬から犯行の計画を立てたとし、「刑務所に入るのが子供の頃からの夢だった。餓死するのではなく、刑務所に入ろうという心境の変化があった」と説明した。

 一方、犯行現場に新幹線を選んだのは、「ぱっと新幹線がひらめいて、その他の手段を考えなかったから」とした。3日の公判では、検察側が小島被告の父親の供述調書を読み上げた。調書の中で、父親は「父として命の大切さを教えることができず、とにかく申し訳ない気持ちでいっぱいです」と、被害者に謝罪の意を示した。

 証人尋問では、事件が起きた新幹線に乗務していた車掌長の男性が、犯行時の小島被告の様子を「倒れている被害者に馬乗りになり、首と肩に何回もなたを振り下ろしていた」「制止しようと『やめてください』と声をかけたが、反応はなかった」と証言した。

 起訴状などによると、小島被告は昨年6月9日夜、新横浜-小田原間を走行中ののぞみ車内で、女性2人をなたで切り付けてけがを負わせ、止めに入った兵庫県尼崎市の会社員、梅田耕太郎さん=当時(38)=にも切り付けるなどして、殺害したとしている。



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