【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の李泰成(リ・テソン)外務次官(米国担当)は3日に発表した談話で、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が非核化をめぐる米朝交渉の期限として示した年末が迫っていると強調し、「今や残っているのは米国の選択であり、クリスマスのプレゼントに何を選ぶかは全面的に米国の決心にかかっている」とし、トランプ米政権に改めて譲歩を要求した。
朝鮮中央通信が伝えた。「最大の忍耐力を発揮してわれわれが先制的に講じた重大措置を壊さないよう努力の限りを尽くした」とも主張。米側が応じなければ、大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射や核実験中止の見直しを示唆した。
だが、年末期限について米側は「北朝鮮が人為的に設定した」(ビーガン北朝鮮担当特別代表)として期限にとらわれない立場で、北朝鮮が米側の譲歩を引き出そうと、ミサイル発射など新たな挑発に出る可能性がある。
朝鮮中央通信は3日、金氏が2日に北朝鮮で「革命の聖地」とされる中朝国境地帯の白頭山(ペクトゥサン)の麓にある三池淵(サムジヨン)郡の開発地区の完工式に出席したことも報じ、制裁が続く中、「自力更生」の意義が強調された。