Paul Sandle
[ロンドン 8日 ロイター] – 富士通の会計システムの欠陥に関連する英郵便事業者の冤罪事件を巡り、8日に公的調査の結果が発表され、冤罪が原因で13人が自殺に追い込まれたほか、多くの人々が破産や疾病などに苦しんでいる実態が明らかになった。
英郵便会社「ポストオフィス」は2000年から13年にかけて、不正経理などの罪で郵便窓口業務を請け負う個人事業者約1000人を起訴したが、会計の齟齬(そご)は富士通の会計システムの欠陥が原因だったことが分かった。
調査責任者のウィン・ウィリアムズ氏は、ポストオフィスの幹部らはシステムが誤作動しやすいことを知っていたか、知っていてしかるべきだったのに、システムが正確だと言い張っていたのを確信したと述べた。
ウィリアムズ氏は被害者への「完全かつ公正な」補償を確保する緊急措置を求め、補償の請求資格者は約1万人に上ると説明。「何千人もの人々が深刻な経済的損害を負った。多くの事業や家庭が失われ、破産が発生し、結婚や家族が崩壊した」と述べた。
英国では昨年、この事件がテレビドラマ化されたことで事件に対する市民の怒りが高まり、有罪判決を受けた人々を無罪とする法律が導入された。
レイノルズ・ビジネス・貿易相は冤罪の被害者らに迅速な補償が成されるよう尽力すると述べた。