ABCテレビは、テレビ朝日系列の全国24社共同制作ドキュメンタリー『テレメンタリー2025』で昨年11月に放送された『女ヤクザの懺悔録』の続編を放送する。前作は、指定暴力団に身を置きながらも、更生支援の道を選んだ元女ヤクザの西村まこさん(58)の「第二の人生」を追ったものだ。放送後に大きな反響を呼び、追加取材に基づきABCテレビで放送、YouTubeで配信された際は、3ヶ月で270万回再生を突破するなど注目を集めた。今回の続編では、前作で描かれた西村まこさんの家族との和解に向けた、より困難な道のりが描かれる。
息子たちからの厳しい拒絶
前作のラストで、絶縁状態にあった2人の息子との再会を決意したまこさんだったが、その試みは予想以上に厳しい現実となった。近くに住む次男からは会うことを拒否され、東京に暮らす長男・大輝さん(28)の自宅を訪れた際には、「帰れ!恥さらし!」という激しい言葉で追い返されてしまった。まこさんの「仲直りしたい」という気持ちは届かず、格闘家を目指す大輝さんは、自身のYouTubeチャンネルでまこさんからの手紙を破り捨て、「二度と会いに来るな」と訴える動画を公開。積年の怒りと恨みを母親にぶつける衝撃的な手段を見せつけた。
実弟との和解と家族の絆
息子たちに自身の更生への思いを伝えたい一心で、まこさんはかつて絶縁状態にあった実弟(57)との復縁に望みをかける。旧知の仲介者を通じて実現した再会。そこで弟から発せられたのは「今度お前を見たら殺そうと思っていた」という衝撃的な一言だった。しかし、まこさんの心からの反省と、精力的に取り組む更生支援活動への献身を知るにつれ、弟の心は次第に氷解していく。そして、弟はまこさんと息子たちとの間に入り、手紙を渡す仲介役を買って出ることにした。
元女ヤクザ・西村まこさんを追ったドキュメンタリー「女ヤクザの懺悔録」続編の番組カット
さらに、実弟との和解が実を結び、まこさんは長らく閉ざされていた実家へと足を踏み入れることを許された。85歳になった実母が作った肉じゃがの味に、まこさんは母親の偉大さと、自身が暴力団の道へ進んでも、陰で支え続けてくれた母の愛情を改めて思い知る。
息子への思いと新たな展開
事態はここに来て急展開を見せる。長男の大輝さんが、格闘家として世界デビューを目指すためにスポンサーを募集する新たなYouTube動画を公開したのだ。この動画を見た西村まこさんは、「大輝の夢を手助けしたい」という切実なメッセージを添えた手紙を、弟を介して大輝さんに手渡すことを試みる。「母親として何もできなかった。せめて大輝の夢を叶えさせてあげたい」というまこさんの渾身の手紙。これを見た大輝さんが、一体どのような反応を示すのかが注目される。
家族の物語の行方
暴力団の母親を持つという悲しき運命を背負って生きてきた息子たちの、母親への本音が語られる日は来るのだろうか。そして、10年ぶりとなる母子の再会は実現するのか。今回の続編では、元女ヤクザである西村まこさんと、彼女を取り巻く家族の、和解に向けた複雑で感情的な物語が大きく動き出す様子が描かれる。