アメリカ空軍の象徴的ステルス爆撃機B-2スピリットは、運用約30年を経て近代化が進み、現在も高い戦略的価値を維持しています。将来の新型ステルス爆撃機B-21レイダーに置き換わる予定ですが、B-2 スピリットの近代化は、核抑止力の一角を担い、最新の作戦でその能力を示す上で不可欠です。
運用約30年のB-2、近代化の内容と現役の意義
高性能な戦略爆撃機として設計されたB-2も、約30年の運用による技術的陳腐化と経年劣化への対応が求められています。性能維持のため、探知されにくいステルス性能向上、通信強化、整備効率化といった改良が進められています。空軍ライフサイクル管理センターはこれらを発表しました。B-2先進プログラム部門の責任者は「B-2は旧式ではなく、現在も作戦に従事し、もし明日戦闘が始まれば、最初に攻撃を行うプラットフォームの一つになるだろう」と強調しています。
夜間飛行中のB-2スピリットステルス爆撃機。イランへの攻撃にも使用され、現在近代化アップグレード中。
戦略的役割:イラン核施設攻撃と核の三本柱
軍需メーカー、ノースロップ・グラマンによって製造された1機20億ドルという高価なB-2は、1997年の配備後、コソボ紛争で初めて実戦に投入されました。直近ではイランの3つの核施設への攻撃に使用され、強固な地下施設破壊に特化したGBU-57「大型貫通爆弾」(1発15トン)を使用しました。核兵器搭載能力も持ち、米国の核の三本柱(トライアド)の重要要素です。多様な兵器を搭載できる柔軟性から、B-2は米軍全体の攻撃手段の中核であり続け、その維持に投資が継続されています。
B-2スピリット:継続投資による戦略的意義
結論として、B-2スピリットは開発から時間が経過しても、最新技術による近代化と戦略的な重要性から、現在もアメリカ空軍の決定的な戦力であり続けています。将来の新型機B-21レイダーへの移行期間、そしてその後も、その能力を最大限に発揮するための投資は継続されるでしょう。