7月20日に投開票を控える参院選において、参政党がその存在感を増しています。メディアの世論調査で比例投票先として自民党に次ぐ2位となったことで、一気に政界の「台風の目」と見なされるようになりました。れいわ新選組の山本太郎代表が、参政党の神谷宗幣代表(47)に対してデマを流されたと名指しで批判するなど、他の各党も無視できない存在となっています。こうした中で、神谷代表の過去の発言が改めて注目を集めています。
参院選に向け演説する参政党の神谷宗幣代表
神谷代表の「側室」発言の経緯
改めて話題となっている発言の一つに、「天皇陛下に側室を」というものがあります。この発言は、神谷氏が2023年6月29日に参政党の公式YouTubeチャンネルで公開した動画中でなされました。同氏は、皇位継承問題に触れる文脈で、「天皇陛下に側室を持っていただいて、たくさん子供を作っていただく」という趣旨を述べました。後に、この発言部分は当該動画から削除されています。
創立メンバーからの厳しい指摘
この神谷氏の発言について、参政党の創立メンバーの一人であり、元共産党員でもあるという男性が「週刊文春」の取材に対し、批判的な見解を語っています。男性は、天皇に側室を持つ制度は昭和天皇が廃止した経緯があるとし、「神谷氏の発言はあまりにも不勉強だ」と指摘しました。さらに、「彼は皇室の歴史なんてほとんど知らない」と述べ、神谷氏が国会事務所に来た際に直接対面し、「貴方はもっと勉強すべきだ」とかなり厳しく注意したことを明らかにしました。この男性は、神谷氏の歴史認識や学習不足に強い懸念を示している模様です。
参政党側の公式な説明
参政党側は、この神谷氏の「側室」に関する発言について、「週刊文春」の取材に対し、公式な回答を寄せています。党の主張によれば、神谷氏が当該発言を行ったのは、皇位継承問題が抱える深刻な状況を訴えるためであったとしています。具体的には、「現体制とは相容れない在り方をも検討しなければならない程の危機的な状況にあるとの認識を表明するためで、実際にそのような在り方を求めたものではありません」と説明し、あくまで現状の危機感を強調するためのたとえ話や極論として述べられたものであることを示唆しました。また、この発言に対して、上記の創立メンバーである男性から「不敬である」という趣旨の注意を受けたことは事実であると認めています。
神谷代表の過去の「側室」に関する発言は、参院選を前に再び議論の対象となっています。この発言を巡る創立メンバーからの批判や、それに対する党の公式見解は、参政党の内部事情や神谷氏の思想の一端を示すものと言えます。この男性の正体や、彼が語る参政党のボードメンバーからの退任理由、神谷氏の「失敗の本質」といった詳細については、現在配信中の「週刊文春電子版」で詳しく読むことができます。
【出典】週刊文春電子版