【新節約術】「覆面調査」で食費を大幅削減 ポイント還元で実質半額以下も

新たな節約術として注目を集めているのが「覆面調査」という働き方です。調査員が一般客を装って飲食店や美容室などを利用し、サービスの質などを評価することで、利用料金の一部または全額がポイントなどで還元される仕組みです。特に物価高が続く中で、この覆面調査を利用した節約術が広がりを見せています。サービスによっては、利用金額の最大100%が戻ってくるケースもあり、外食費などの大きな負担を軽減できる可能性があります。

都内に住む60代の男性は、この覆面調査を節約のために活用しています。定年退職後、収入が限られる中で、少しでも家計の助けになればと考えて始めたそうです。男性はポイントサービス大手のモッピーが提供する覆面調査サービスを利用しており、一度の調査で数千円分のポイントが還元されることが多いと言います。このサービスは4月に開始され、既に多くの利用者を獲得しています。

人気の節約術「覆面調査」で飲食代を抑えるイメージ人気の節約術「覆面調査」で飲食代を抑えるイメージ

先日、男性は近所の居酒屋で覆面調査を行いました。約1時間半の滞在で支払った金額は1万800円でしたが、後日アンケートを提出した結果、利用金額の半額にあたる5400円分のポイントが還元されました。還元されたポイントは様々な電子マネーやポイントに交換できるため、実質的に外食費が半額で済んだことになります。男性にとって、これは給料以外の貴重な収入源、あるいは大幅な支出抑制となっています。

覆面調査で具体的に何をチェックするのか?

覆面調査では、単に飲食やサービスを受けるだけでなく、様々な項目をチェックすることが求められます。サービス提供会社や店舗によって調査内容は異なりますが、一般的な飲食店での調査では以下のような項目が含まれます。

  • 来店条件の遵守: 指定された曜日や時間帯、人数で来店しているか。
  • 指定メニューの注文: 事前に決められたメニューを注文しているか。
  • 店舗状況の確認: 店内の清潔さ(特にトイレ)、従業員の身だしなみや名札の着用状況などを確認。
  • 接客態度の評価: 従業員の言葉遣い、対応スピード、商品知識などを評価。
  • 提供物の確認: 料理の盛り付けがメニュー写真通りか、温度は適切かなどをチェック。
  • 証拠の収集: 注文した料理の写真撮影(角度指定がある場合も)、利用証明としてのレシート受け取り。

これらの項目について、来店から概ね7日以内にオンラインアンケートで詳細に報告します。評価は10段階などで行われ、コメントや写真などの証拠とともに提出します。

運営側が覆面調査を依頼する目的

店舗側が覆面調査会社に調査を依頼する背景には、サービスの質の維持・向上と経営リスクの未然防止という明確な狙いがあります。モッピーのポイント事業部マネージャーである村田敬憲氏によると、覆面調査員(モニター)が入ることで、「清掃が行き届いていない」「盛り付けがメニュー通りではない」といった問題点を客観的に把握し、改善に繋げることができると言います。また、従業員の不正行為や不適切な接客などを抑止する効果も期待できます。

多くの店舗にとって、日々のオペレーションを完全に把握することは難しく、顧客からの直接的なクレームだけでは気付けない問題も少なくありません。覆面調査は、こうした潜在的なリスクを発見し、顧客満足度を高めるための有効な手段となっています。

現在、覆面調査の対象となる店舗やサービスは飲食店が中心ですが、モッピーのようなサービス提供会社は今後、さらに多様な業種に拡大していく方針です。特に整骨院やマッサージなどのサービスは人気が高く、調査枠がすぐに埋まってしまう傾向があるため、加盟店を増やすことに注力していくとのことです。消費者にとっては賢い節約方法として、店舗にとっては品質管理やリスク管理の手段として、覆面調査は今後ますます普及していくと考えられます。

出典:「グッド!モーニング」(テレビ朝日系、2025年7月14日放送)