近年、海外渡航中の韓国人観光客による乱闘や現地住民への暴行といった不適切な行為が相次ぎ、国際社会からの批判が高まっています。これらの事案は、単なる個人的な逸脱行為に留まらず、韓国の国家イメージにも悪影響を及ぼすとして懸念されています。
タイ・パタヤでの韓国人観光客による大規模乱闘事件
2024年7月11日(現地時間)、タイの人気観光地パタヤにある大型飲食店で、およそ10人の韓国人観光客が乱闘騒ぎを起こしました。SNSで拡散された動画には、多数の観光客が行き交うレストラン内で、複数の男性が殴り合い、激しくもみ合う様子が鮮明に映し出されています。
タイ・パタヤの飲食店で発生した韓国人観光客同士の乱闘の瞬間。通報を受けて出動した現地警察は、乱闘に関与した韓国人観光客4名を連行し、事情聴取を行いました。取り調べの結果、彼らは同じテーブルで食事をしていた仲間同士で、口論がエスカレートして暴力沙汰に発展したことが判明しました。飲食店側は、未払いの飲食代と店内損害賠償として総額10万バーツ(約45万円)を請求し、観光客らはこれに応じて支払いを済ませたとのことです。警察は、公共の場所での騒乱容疑などで彼らを起訴し、罰金を科した後に釈放しました。
ベトナム・ハノイでの韓国人女性による暴行事件
同日、ベトナムの主要メディア「トゥオイチェー紙」や「ベトナムニュース(VNS)」などが報じたところによると、ベトナムの首都ハノイにある韓国人街、ミーディン地区の写真店で、韓国人女性2名がベトナム人女性2名に対し暴行を加える事件が発生しました。防犯カメラの映像には、順番待ちをしていた韓国人女性の一人が、先に撮影していたベトナム人女性に突然駆け寄り、平手打ちを食らわせ、帽子を叩き落とす様子が記録されていました。
写真店の証言によれば、韓国人女性らは、ベトナム人女性らの撮影時間がまだ残っていたにもかかわらず、「早く終わらせろ」と大声で催促し、一方的に言いがかりをつけていたとされています。この韓国人女性の一人は、現地に進出している韓国系企業の社員であることも明らかになっています。この事件の防犯カメラ映像がオンライン上で急速に拡散されると、ベトナム国民の間で激しい怒りが巻き起こりました。事態を把握した現地警察は、映像の精査と目撃者への聞き込み調査を進めており、今後被害者への事情聴取を行う方針です。
在ベトナム韓国大使館の声明と国民への注意喚起
在ベトナム韓国大使館の関係者は、相次ぐ不祥事に対し深刻な懸念を表明しています。「今回の事件は一部個人の逸脱行為に近いものですが、両国の国民感情に悪影響を及ぼさないかと、我々大使館はもちろん、ベトナム側も懸念している」と述べ、両国間の友好関係に亀裂が生じることを危惧していることを明らかにしました。その上で、海外に滞在する韓国国民に対し、「ベトナムで各種事件に巻き込まれないよう、細心の注意が必要だ」と警告し、自覚ある行動を強く求めました。
相次ぐ海外での韓国人による不祥事と今後の課題
タイやベトナムで報じられた一連の事件は、海外における韓国人観光客の一部の不適切な振る舞いが、現地の社会や文化、そして国際的なイメージに与える影響の大きさを浮き彫りにしています。個人的な行動が、両国間の国民感情や外交関係にまで波及する可能性を鑑みれば、海外渡航者一人ひとりが、より一層高い倫理観と国際的なマナーを身につけることが急務と言えるでしょう。今回の事件を通じて、韓国政府や関連機関による国民への啓発活動の強化、そして海外における法遵守の徹底が、今後の重要な課題として挙げられます。
参考資料
- Pattaya News
- Pattaya Mail
- Tuoi Tre News
- Vietnam News (VNS)
- Yahoo!ニュース(提供:中央日報日本語版)https://news.yahoo.co.jp/articles/4cd0fcd04ab541167f669515547ba876bb13df4c