2025年7月17日、女優でタレントの遠野なぎこさんが不慮の事故により逝去されたことが、親族が同日に更新した遠野さんのブログで公表されました。享年45でした。かねてよりその動向が案じられていた遠野さんの訃報は、多くの関係者やファンに深い悲しみと衝撃を与えています。彼女の突然の逝去は、残された愛猫の安否とともに、芸能界に大きな波紋を広げています。
7月3日夕刻頃に遠野さんの自宅マンションに消防車と救急車が駆けつけ、その後身元不明の遺体が運び出されてから約2週間。関係者の間では、彼女の安否を気遣う声が絶えませんでした。特に、一時行方不明とされていた遠野さんの愛猫「愁くん」の所在については、作家の吉川ばんびさんが自身のX(旧Twitter)で情報提供を呼びかけるなど、多くの人々が心を痛めていました。遠野さんと交流があり、「もし私の身に何かあれば愁くんを引き取ってほしい」と約束していたという吉川さんは、知人の編集者らの協力を得て、愁くんが「無事に保護されており、元気とのこと」と報告し、安堵が広がりました。
遠野さんと人気番組『アウト×デラックス』(フジテレビ系)で共演していたロシア出身のタレント、小原ブラスさん(33)は、7月9日に実施した自身のYouTubeチャンネルのライブ配信で、遠野さんとのエピソードを披露しました。遠野さんの公式Instagramのフォローリストには小原さんのアカウントが含まれており、LINEでのやり取りや食事を共にする機会も多かったと明かしました。小原さんが遠野さんと最後に話したのは6月下旬のことで、その際、常習賭博の疑いで逮捕された『アウト~』のプロデューサー、鈴木善貴容疑者(44)の話題になったといいます。遠野さんは「うちらはアウト軍団だけど、社会に迷惑はかけないでおこうね」と語っていたとされ、彼女の社会に対する責任感や共演者への配慮がうかがえます。
近年、遠野さんは『バラいろダンディ』(TOKYO MX)の月曜レギュラーとして活躍し、メジャーリーガー大谷翔平選手への熱い応援を語る姿は多くの視聴者から支持を得ていました。また、彼女は自身の超スピード離婚やメンタル面のコンディションについて包み隠さず公言することで、同様の悩みを抱える人々にとって「希望の存在」となっていました。その率直な姿勢と共感を呼ぶ言動は、視聴者からの評判も非常に高く、その突然の訃報は「事故でこんなことになるとは、残念でなりません」とテレビプロデューサーも深い悲しみを表しています。
バラエティ番組で輝きを放った遠野なぎこさん
実は、遠野さんの独自の言動やバラエティタレントとしてのポテンシャルは、大物MCである明石家さんまさん(70)も高く評価していました。さんまさん自身も「70歳になっても恋バナが好き」と後輩芸人からツッコまれるほどで、スタッフに「遠野でも出したらどうや?」と話すこともあったそうです。これは純粋に遠野さんと恋愛や結婚に関するトークを期待してのことと推測されます。具体的には『踊る!さんま御殿‼』(日本テレビ)や『痛快!明石家電視台』(MBS)への出演が想定されていたようですが、番組の構成上、他のタレントとのバランスを考慮した結果、実現には至らなかったとバラエティ番組ディレクターは明かしています。また、遠野さんと『アウト~』で共演していたマツコ・デラックスさんとの番組『週刊さんまとマツコ』(TBS系)も、遠野さんの出演を探っていたとされますが、こちらも実現には至っていません。
同志社女子大学教授でメディア評論家の影山貴彦氏は、遠野さんのバラエティタレントとしての才覚について、「彼女は非常にクレバーな方だと思う。ここまではテレビ的にはオーケー。ここからはアウトというキワキワのところを少しだけ超えるというラインをすごくわかっていた方だと思います」と評価しています。「テレビの作り手が何を期待しているかということを瞬時に判断して、それに応えてきた」のが彼女の才能であり、さんまさんと彼女の掛け合いを「ぜひ、もう一度見てみたかった」と、その早すぎる逝去を惜しんでいます。
遠野なぎこさんの突然の訃報は、彼女を愛し、その活躍を見守ってきた多くの人々にとって大きな喪失です。彼女がバラエティ番組で見せてくれた輝き、そして共感を呼んだ人間性は、これからも多くの人々の記憶に残り続けるでしょう。謹んで、故人のご冥福をお祈りいたします。
参考文献
- FRIDAYデジタル: 「遠野なぎこさんの愛猫は保護されていたが……」 https://news.yahoo.co.jp/articles/14f1f9d63fab7915be1c37a0736ddcf8da6a4c9a