れいわ新選組の山本太郎代表が公開した農家への「お辞儀写真」が、X上で「パフォーマンスだ」と批判を浴びている。過去の言動との矛盾を指摘する声も根強く、一部の有権者には強い拒否反応がある。しかし、こうした批判の一方で、れいわ新選組は参院選で着実に議席を伸ばす見込みだ。その背景には、消費税廃止、社会保険料引き下げ、ガソリン税ゼロなど、国民の可処分所得を直接増やす大胆な減税政策がある。経済誌プレジデントの元編集長で作家の小倉健一氏が、このパフォーマンスの裏に隠されたれいわの経済政策とその可能性について掘り下げるーー。
「反吐が出る」「明らかにヤラセ写真だ」
れいわ新選組の代表を務める山本太郎参議院議員の行動が、再び物議を醸している。
参院選に向けたアピールとして公開された、農家の人々に対し深く頭を下げる写真がその発端である。この一枚の写真に対し、X上では賛否両論、特に厳しい意見が噴出した。
投稿されたコメントを見ると、多くの批判が「パフォーマンス」という一点に集約されている。「反吐が出る」「明らかにヤラセ写真だ」といった直接的な嫌悪感を示す声は少なくない。写真の構図が不自然である点や、選挙ポスター用の演出ではないかという疑念が多くの投稿の根底にある。
特に根深いのは、山本太郎の過去の言動との矛盾を指摘する声である。
2011年の東日本大震災後における福島県の農業に関する発言を引き合いに出し、「福島の農家を貶めた人間が農家の味方とは不誠実だ」という趣旨の批判が繰り返し投稿されている。農家への敬意が本物なのかという不信感は、10年以上経った今もなお燻り続けている。
山本太郎のパフォーマンスは、国会における牛歩戦術や、2023年に大分県のデモで見せた車道への飛び出し行為など、枚挙に暇がない。一連の過激な行動の積み重ねが、「ただの演技ではないか」という疑念を増幅させている。
一方で、擁護する意見も存在する。「ポスター用の印象的な構図を切り取っただけで、過剰に批判するのはおかしい」と反論する声や、「農林水産大臣がここまで農家に対して真摯な姿勢を見せたことがあるか」と、山本太郎の熱意を評価する投稿もある。被災地支援などの行動を挙げ、批判の矛先がずれていると擁護する意見も見受けられる。