【ワシントン時事】20日投開票の参院選の与党大敗について、米メディアでは「政治的混乱期の始まり」(ワシントン・ポスト紙)などと日本の不安定化を懸念する論調が相次いだ。
石破茂首相の責任論がくすぶる中、8月1日の発動期限を前に関税交渉をまとめることは困難になったとの声も上がる。
米国務省報道担当者は取材に対し、「日米同盟はインド太平洋地域および世界の平和と安全、繁栄の礎であり、かつてなく強固だ」と強調。「地域の安定や2国間防衛、経済関係、日米韓3カ国関係を含む幅広い課題について、引き続き協力していくことを楽しみにしている」と述べた。
ポスト紙は与党の「壊滅的敗北」と指摘。政権の安定性が揺らぎ、貿易交渉が停滞するとの見方を紹介した。ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)も、首相の政権基盤の弱体化により「仮に米国と合意に至っても、国会で承認を得づらい」と予測した。
一方、米シンクタンク外交問題評議会のシーラ・スミス上級研究員は、今年後半から来年にかけて「日本の防衛費や台湾有事への関与など、安全保障問題にも米側の関心が強まる」と言及。日米関係の先行きに関し、「緊張は高まる。日米同盟は強固だ、という想定に甘んじるべきでない」と警告した。