米国のドナルド・トランプ前大統領は、自身が仮定する「執権第2期」の開始から6カ月を迎えたことに触れ、自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」を通じて米国が「世界中で最も人気があり(hottest)、最も尊敬される国になった」と高評価した。彼は、前任政権下の米国を「回復の見込みがない死んだ国」であったと批判。自身の在任中に「数多くの成果」を挙げたことを強調し、共和党内での高い支持率や、ジェフリー・エプスタイン関与疑惑、アフガニスタン難民支援といった多岐にわたる重要課題について自身の見解を表明した。
「執権第2期」の自己認識と実績の主張
トランプ前大統領は、この6カ月間を「どの大統領にとっても最も重要な時期」と位置付け、「貿易や友好関係でつながっていなかった国々の間に起きていた多くの戦争を終結させた」など、外交面での成果を強調した。さらに、「主要な国家を完全に再建するには、6カ月は決して長くない」と述べ、自身の政治的影響力の継続性を示唆した。
ワシントンでの共和党上院議員との晩餐で演説するドナルド・トランプ前大統領
ジェフリー・エプスタイン疑惑と支持率
共和党内で批判の対象となっている「ジェフリー・エプスタイン関与疑惑」について、トランプ氏は別の投稿で言及し、この疑惑に関する「うそが急進左派や厄介者によって暴露された後に、共和党および『MAGA』(トランプ氏の強力支持層)の支持率が大きく上昇した」と主張した。彼は複数の世論調査で「90%、92%、93%、95%」という高支持率を記録したとし、「共和党の歴史上、新しい記録だ」と強調した。
ジェフリー・エプスタイン氏は、2019年に収監中に自ら命を絶ったとされる億万長者のヘッジファンドマネージャーで、トランプ氏やビル・クリントン元大統領を含む有力者と交友関係があった。未成年者性的搾取事件に関連し、トランプ氏も「性接待の顧客リスト」に含まれていた疑惑が浮上。エプスタイン氏の死因については自殺ではなく他殺だとする陰謀論も根強く、事件の全容解明を求める声が上がっている。
大統領選挙での主張とアフガン難民救済計画
トランプ氏はまた、「前回の大統領選挙での私の得票率は歴代最高だった」と改めて主張し、「国民は強力な国境政策と私が成し遂げた他の成果を支持している」と繰り返した。
さらに別の投稿では、アフガニスタン戦争中に米軍に協力し、現在アラブ首長国連邦(UAE)で難民生活を送っているアフガン人たちが、本国への強制送還の危機にある問題を取り上げた。トランプ氏は、UAE当局から強制送還を通告されたという報道に触れ、「私は彼らを救うために努力する。すぐに着手するだろう」と表明。具体的な救済方法については明言を避けたものの、彼らの状況を重く見ている姿勢を示した。
これらの発言は、ドナルド・トランプ前大統領が引き続き米国の政治情勢において重要な影響力を持つことを示している。彼は、自身の政策と成果を積極的にアピールし、賛否両論を呼ぶ問題にも臆することなく言及することで、自身の強固な支持層を維持し、将来の政治活動への足がかりを築いているようだ。特に、自らの「執権第2期」という表現を使用することで、現政権への対抗意識と次期大統領選への強い意欲がうかがえる。