参政党、参院選で躍進!比例区得票率から見る支持層の都道府県別分析

7月30日に投開票が行われた参議院選挙は、改選124議席と欠員補充1議席を合わせた全125議席が確定しました。この選挙で、自由民主党は改選前の52議席から39議席へと13議席を減らし、公明党も14議席から8議席へと6議席を減らしました。その結果、非改選議席と合わせても与党は過半数を割る厳しい結果となりました。一方で野党に目を向けると、選挙前から躍進が予想されていた参政党が1議席から14議席へと大きく議席数を伸ばし、「大躍進」とも言える結果を収めました。

参政党は東京選挙区(定数7)をはじめ、神奈川(定数4)や埼玉(定数4)などの選挙区で合計7議席を獲得。さらに、比例区でも立候補者10名のうち7名が当選しました。本記事では、この参政党の躍進に焦点を当て、比例区における各都道府県別の投票傾向を分析し、参政党が最も支持された都道府県と、逆に支持が弱かった都道府県を深掘りします。データは総務省発表の「令和7年7月20日執行 参議院議員通常選挙 発表資料」内「開票結果(比例代表)」を参考にしています。

参政党の「大躍進」とその詳細

参政党は今回の参院選において、その存在感を大きく高めました。特に比例区での得票数は全国で7,425,052票に上り、政党得票率は12.5%を記録しました。これは、既存の大政党に迫る勢いを示しており、多くの有権者が新たな選択肢を求めている現状を浮き彫りにしています。選挙区においても、都市部を中心に複数の議席を獲得したことは、単なるブームではなく、特定の層に根強い支持があることを示唆しています。

比例区で参政党が最も支持された都道府県トップ3

比例代表での投票結果を都道府県別に分析したところ、参政党への支持が特に高かった3つの県が明らかになりました。

第3位:福岡県

福岡県では、比例投票先の14.94%が参政党に投じられました。福岡選挙区(定数3)においても、参政党の中田優子氏(35)が2位で当選しており、まさに「参政党旋風」が吹き荒れた地域と言えるでしょう。これは、地域の有権者が参政党の掲げる政策や理念に強く共感した結果と見られます。

第2位:群馬県

群馬県での参政党の得票率は15.33%でした。定数1の選挙区では、288,284票を獲得してトップ当選を果たした自民党の清水真人氏(50)には及ばなかったものの、参政党の青木ひとみ氏(44)が260,524票を獲得し次点となるなど、かなりの接戦を演じました。群馬県におけるこの高い得票率は、参政党のメッセージが特定の有権者層に深く響いたことを示しています。

第1位:石川県

そして、最も参政党の支持が高かったのは石川県で、得票率は16.00%を記録しました。定数1の選挙区では、現職で4回の当選経験がある自民党の宮本周司氏(54)が当選しましたが、2位の国民民主党・浜辺健太氏(31)に続く3位の得票数を参政党の牧野緑氏(40)が得るなど、比例区のみならず選挙区でも健闘を見せました。石川県のこの高い支持率は、地方における参政党の潜在的な広がりを示唆しています。

参政党のロゴマーク。躍進を続ける党のシンボル。参政党のロゴマーク。躍進を続ける党のシンボル。

逆に「参政党旋風」が弱かった都道府県ワースト3

一方で、参政党への支持が全国平均よりも低かった都道府県も存在します。

ワースト3位:山形県

山形県では参政党の得票率は10.64%に留まりました。比例区での得票率は、自民党(31.7%)、立憲民主党(13.2%)、国民民主党(12.9%)に続く4番手となり、他の主要政党に比べて支持が伸び悩んだ形です。

ワースト2位:鳥取県

鳥取県での得票率は10.25%でした。鳥取・島根選挙区(定数1)でトップ当選した出川桃子氏(47)を含め、比例区でも多くの票を集めた自民党の支持が圧倒的に大きく、参政党が入り込む余地は限られていたようです。

ワースト1位:秋田県

最も参政党の支持が低かったのは秋田県で、得票率は9.39%でした。これは全国で唯一得票率が10%を切る結果であり、自民党、立憲民主党、国民民主党に次ぐ4位でした。秋田県では、参政党のメッセージが有権者に十分に浸透しなかった可能性が考えられます。

参政党の今後の展望

今回の参院選で7,425,052票、政党得票率12.5%という高い人気を集めた参政党。しかし、神谷宗幣代表(47)をはじめとする党員によるSNSや街頭演説での発言が問題視されることも少なくありません。この急速な人気が今後も持続するのか、それとも一時的なものに終わるのか、その動向は日本の政治に少なからず影響を与えることでしょう。新しい政治勢力としての参政党が、どのような形で成長し、あるいは課題に直面していくのか、引き続き注目していく必要があります。

参考文献

  • 総務省発表「令和7年7月20日執行 参議院議員通常選挙 発表資料」内「開票結果(比例代表)」
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