芸人の千原せいじがネット番組で発言した内容に批判が集まっている。自身のチャンネル「せいじんトコ」でゲストと口論の挙句、「お前、いじめられっ子やったやろ」と揶揄するような口調で言ったことが問題視され、各メディアに取り上げられる事態となったのだ。
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ライターの石神賢介氏は、この発言に加えて問題なのは、千原せいじの「外国人問題」「クルド人問題」への安易な関わり方ではなかったか、と指摘する。昨年来、埼玉県川口市内でクルド人問題を取材してきた石神氏の目から見て、千原せいじのどこが問題だったのか。以下、石神氏の寄稿である。
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ネット民は「バカ」と発言
芸人の千原せいじさんが、自身のYouTubeチャンネル「せいじんトコ」(後半はニコニコチャンネルプラス有料配信)で配信した動画番組で物議を醸している。問題になったのは、埼玉県戸田市の市議会議員、河合ゆうすけさんをゲストに招いた回だ(7月18日配信)。
河合氏は、戸田市の隣、川口市のクルド人問題をはじめ、外国人に関する問題を積極的に取り上げ、ネット上などで問題提起を行っている議員。国政でも関心が高まっている問題だけに潜在的に脅威を感じていた人は多かったのだろう、河合氏は今年1月の市議会議員選挙でトップ当選を果たしている。その言動は時に過激すぎるところもあり、賛否が分かれているところもあるが、発信力の強さには定評がある。
問題の番組をざっと振り返ってみよう。
タイトルは「とりあえず、河合ゆうすけさんの意見を聞いてみる」。実際に川口市のロケを経験した千原さんが、河合議員の意見を聞くという趣向だった。
ところが番組は開始早々、不穏な空気に包まれる。河合議員が最近、クルド人問題について、芸人の田村淳さんを「ボコボコに」してやった旨を語ると、それに千原さんが感情的な反応を示したのだ。
千原さんが「そんな暴力的なことをやってんの?」と言うのに対して、河合氏はあくまでも「ボコボコ」は比喩に過ぎず、理屈で相手をやり込めて「勝った」のだと主張。これはその通りだろう。河合さんは田村さんとリモートで議論しただけだ。