大阪観光大(大阪府熊取町)などを運営する学校法人明浄(めいじょう)学院をめぐる21億円の横領事件で、逮捕された元理事長、大橋美枝子容疑者(61)が法人経営に携わる際に18億円を借り入れていたことが6日、関係者への取材で分かった。大阪地検特捜部は大橋容疑者が借入金返済のため、21億円の横領を主導したとみている。捜査関係者によると、大橋容疑者は容疑を認めている。
関係者によると、大橋容疑者は平成28年4月に法人の副理事長に就任する際、経営権を握るための資金として、同じ業務上横領容疑で逮捕された大阪市の不動産会社「ピアグレース」役員、山下隆志容疑者(52)の側から18億円を調達していた。
法人は29年7月ごろ、ピア社に明浄学院高(大阪市)の土地の一部を約31億円で売却する契約を締結。手付金21億円を受け取り、その後所在が分からなくなった。特捜部は大橋容疑者が借り入れた18億円を返済するため、手付金を横領し一連の送金などを指示したとみており、借入金の使途も含め資金の流れを調べている。
また大橋容疑者の後任として今年6月に法人理事長に就任し、約2カ月後に解任された元アスキー社長、西和彦氏(63)が6日、大阪市内で会見。「解決に向けて一歩進んだと思う」とする一方、「大橋容疑者が選んだ理事がまだ法人に残っている現状はいかがなものか」と指摘した。