石丸伸二氏率いる「再生の道」、参院選で全候補落選:石丸氏が分析する“風”の行方

政治団体「再生の道」を率いる石丸伸二代表(42)が、20日投開票の参議院選挙で、東京選挙区に擁立した1人と比例代表の9人、合わせて全10人の候補者が落選し、議席獲得に至らなかったことが明らかになりました。この結果を受け、石丸氏は自身の政治活動における「風」の行方と、その背景にある要因について分析しました。

再生の道は参院選で議席を獲得できず、石丸氏は20日、ニコニコ生放送の開票特番に生出演し、この結果について言及しました。昨年7月の東京都知事選挙で約165万票を獲得し、2位に躍進して「石丸旋風」と呼ばれた現象との違いについて質問が集中しました。

再生の道の参院選結果と石丸氏の受け止め

石丸氏は今回の参院選について、「再生の道」として「議席の数はたくさんは望めないという現実は一応見ていたつもりです。その中でできるだけのことは尽くした。結果は結果なので、受け止めるだけという思い」と述べ、厳しい現実を認識しつつ、結果を受け入れる姿勢を示しました。

参政党躍進の背景とネット・SNSの影響

番組進行を務める夏野剛氏から「なぜ参政党はここまで議席を伸ばしたのか?」という質問が投げかけられると、石丸氏は自身の見解を述べました。「世の中にまん延している不安、不満がその発露を求めた。そこに時代の波ですね。特にネット、SNSというものが作用した。それをうまく…うまくなのか…そこに響くような主張を展開された結果かなと感じています」と分析し、国民が抱える不満や不安が、インターネットやSNSを通じて特定の政党への支持として表れた可能性を指摘しました。

参院選での敗北を受け、会見に臨む石丸伸二氏の様子。参院選での敗北を受け、会見に臨む石丸伸二氏の様子。

都知事選と今回の選挙における“石丸旋風”の相違点

ノンフィクションライターの石戸諭氏からは、石丸氏自身が都知事選でネット・SNSを巧みに活用し、「第一人者」とも評されたことを踏まえ、なぜ今回の参院選では同様の「風」が吹かなかったのか、あるいはSNSの活用がうまくいかなかったのかについて分析を求められました。

これに対し石丸氏は、「これは都知事選の直後の振り返りで何回かは言及してはいるんですが、私がことさらその力を使った、駆使したとは思ってませんでしたし、そうも言ったことはないですね」と説明しました。さらに、「メディアの方とかが、そう評したのは知っているんですけど。そのような意味で今回も、昨年と同じような選挙運動を展開してますので。『再生の道』の中の差分ではなく、外部環境の変化、という認識でいます」と述べ、自身の戦略は変わっておらず、結果の違いは「外部環境」の変化によるものだとの見方を示しました。

過去の選挙活動と「再生の道」設立の経緯

石丸氏は昨年7月の東京都知事選で、地道な街頭演説に加え、SNSを駆使した独自の選挙戦術を展開し、165万票を獲得して2位に躍進しました。この現象は「石丸旋風」と称され、大きな注目を集めました。

今年1月には地域政党「再生の道」を立ち上げ、6月の東京都議会議員選挙に向けて候補者を公募しました。応募者1128人の中から3回の試験を経て、最終面接をYouTubeで公開する形で42人を擁立しましたが、全員が落選しました。今回の参院選で落選した10人の候補者も、この公募で選ばれた1128人の中から選出されていました。

石丸氏は参院選を巡る今月1日の会見で、「教育への投資を優先し、持続可能な社会を構築する」という「教育を最優先」というシングルイシュー(単一争点)で戦うことを発表していました。当時の目標については、「今年7月の参院選を経て国政政党の要件を満たす」としていましたが、今回の結果により、その目標達成は持ち越しとなりました。

結論

今回の参議院選挙における「再生の道」の全候補者落選は、昨年都知事選で大きな話題を呼んだ「石丸旋風」が、国政選挙には波及しなかった現実を突きつけました。石丸氏自身は、選挙運動の手法に大きな変化はなく、今回の結果は外部環境の変化によるものと分析しており、今後の「再生の道」の動向と、石丸氏がこの結果をどのように次へと繋げていくのかが注目されます。


参考文献: