参院選で過半数割れし、衆参両院で少数与党となった自民党。政治ジャーナリストの田崎史郎氏が25日、TBS「ひるおび」に出演し、今後の「組める」野党について詳細な分析を展開しました。この状況下で、自民党がいかに他党と連携し、政策を進めていくかが注目されています。
TBS社屋外観:政治ジャーナリスト田崎史郎氏が自民党の野党連携について解説した報道番組の放送局
参院選後の自民党と野党の動向
田崎氏は、現在の立憲民主党、国民民主党、日本維新の会のいずれも、退陣が報じられた石破茂首相との協力には否定的であると指摘しました。しかし、総裁が替わり新しい総理大臣が誕生した際、その人物や新執行部の方針によって野党の態度は大きく変化すると説明しています。これは、今後の政権運営において重要な要素となるでしょう。
ポスト石破候補と連携の可能性
石破首相の後継候補として、高市早苗前経済安全保障担当相、小泉進次郎農相、小林鷹之元経済安保担当相、林芳正官房長官、そして岸田文雄前首相の名前が挙がっています。それぞれの候補者が持つ野党との関係性について、田崎氏は以下のように分析しています。
岸田氏と国民民主党の関係性
田崎氏によると、岸田氏は国民民主党と最も近い関係にあり、岸田政権下では連立直前までいったことが二度あったと明かしました。予算案への賛成や人事の場面で協力があったため、両者の距離は非常に近いとされています。
高市氏、小林氏と野党連携の難しさ
一方で、高市氏と小林氏については、野党との連携が「微妙」であると田崎氏は見ています。その理由として、総裁選の論戦の過程で両者が「総理大臣になったら靖国神社を参拝する」と発言したことが挙げられます。このような発言は、野党との協力を困難にする要因となり得ると分析されています。
国民民主党と日本維新の会:どちらが組みやすいか
国民民主党と日本維新の会のどちらが自民党にとって現実的に組みやすいかという問いに対し、田崎氏は「維新の方が組みやすいのではないか」と回答しました。その理由として、選挙区の調整があまり必要ない点を挙げました。自民党は大阪府連に理解を求めるだけで済む一方、維新は「副首都構想」を実現するために自公両党の協力が不可欠であるため、政策実現のために協力せざるを得ないという思惑があると説明しました。
今回の田崎氏の分析は、参院選で少数与党となった自民党が、今後の政権運営においていかに野党との連携を模索していくかを示唆しています。ポスト石破の総裁候補によって、野党との関係性や連立の可能性が大きく左右されることが明らかになりました。特に日本維新の会との連携が、現実的な選択肢として浮上しています。