静岡県伊東市の田久保真紀市長に持ち上がった学歴詐称疑惑が、新たな局面を迎えています。百条委員会からの出頭命令に対し、市長が「出頭拒否」を表明したことが明らかになり、市民の間にさらなる不信感が広がっています。この一連の動きは、伊東市政の透明性と信頼性を巡る大きな問題として注目されています。
疑惑の発端とこれまでの経緯
ことの発端は、伊東市議に対し、田久保市長が「東洋大学法学部を卒業した」と公表している経歴が虚偽であると指摘する文書が送られてきたことにあります。これを受け、田久保市長自身が大学に出向き確認した結果、実際には卒業ではなく「除籍」となっていたと説明しました。この説明は当初の公表内容と食い違い、大きな波紋を呼びました。
学歴詐称疑惑に揺れる伊東市の田久保真紀市長。公式Xアカウントより。
その後、市議会でこの件が追及される中、田久保市長は議長らに卒業証書を「チラ見せ」したと報じられています。しかし、「除籍」であればその卒業証書とは何だったのかという疑問が呈され、百条委員会は市長に対し、その「卒業証書」とされる資料の提出を求めました。これに対し、市長は「公職選挙法違反の疑いで刑事告訴を受けているため」と説明し、資料提出を拒否。さらに、『NEWSポストセブン』の取材に対しては、「証書に関しては完全に弁護士が証拠保全で金庫に入れちゃっているので、誰も触れられない状態になっている」「私ですらもう資料は見られない」と回答していました。
百条委員会出頭拒否の衝撃と議長の怒り
そして今回、田久保市長は7月25日に開催される予定だった百条委員会への出頭も拒否することを表明しました。市長は、出頭要請に対する回答書を24日の午後3時ごろになってようやく中島弘道議長に提出しましたが、口頭での説明は避け、封筒を手渡したのみでした。その際、「中身は精査していただいて」「市長室におりますので、また呼び出していただければ」と述べた後、その場を後にしたといいます。手渡された回答書には「出頭拒否」の旨が記されており、度重なる市長の「拒否」の姿勢に、中島議長は「本当にバカにするんじゃねえってことですよ」と怒りをあらわにしました。
さらに、市長は「市長室にいる」と発言したわずか10分後には、笑顔で退庁していたと報じられています。この一連の行動は、多くの関係者や市民にとって、市長が事態を軽視し、誠実な対応を怠っていると受け取られています。
市民から殺到する非難の声
田久保市長の相次ぐ「拒否」と、その後の態度に対し、インターネット上では市民からの非難の声が殺到しています。
- 「すべての行動が舐めすぎだろ」
- 「屁理屈並べてウソばかり……こんなのに給料が支払われて退職金が出るまで在籍させるの?市民にとって迷惑でしかない」
- 「法的強制力のある百条委員会を拒否したのだから、すぐにでも告発して不信任決議をやるべき。ある意味“無敵の人”だから時間をかけるだけ無駄だろ」
- 「話にならない。有権者を欺く行為で誠実さのかけらもないコイツをいつまで市長のイスに座らせとく気なんだ?」
- 「仕事もせず、子供でもわかるような嘘をつく人に市民の血税で高い給料が出ていると思うとほんっと腹立たしい!」
といった厳しい意見が寄せられており、伊東市民の間に広がる不満と怒りが浮き彫りになっています。
辞意表明の行方と今後の課題
7月7日には辞意を表明したとされる田久保市長ですが、今回の一連の対応を見る限り、その辞任の真意と時期については依然として疑問符が残ります。学歴詐称疑惑に端を発した問題は、百条委員会への出頭拒否という新たな展開を迎え、伊東市政の信頼回復は喫緊の課題となっています。今後の市長の動向と、議会や市民がどのようにこの状況に対応していくのか、その行方が注目されます。