綾瀬はるかの真摯な姿勢が光る!ドラマ『ひとりでしにたい』制作秘話と主演起用の真相

8月2日に最終回を迎える土曜ドラマ『ひとりでしにたい』(NHK総合テレビ、毎週土曜よる10時~)は、カレー沢薫氏とドネリー美咲氏(原案協力)による同名漫画を原作とした話題作です。伯母の孤独死をきっかけに、39歳独身の主人公・山口鳴海(綾瀬はるか)が自身の「終活」と真剣に向き合う奮闘を描いています。「終活」や「孤独死」といった社会的に重いテーマを扱いながらも、主演の綾瀬はるかが持つ愛らしい魅力と演技力によって、視聴者は知らず知らずのうちにこれらのテーマを「自分事」として捉え、共感できる作品として高く評価されています。本作がなぜこれほどまでに多くの人々の心に響くのか、その中心にある綾瀬はるかの起用背景と、作品に込めた真摯な思いについて、制作統括の高城朝子氏に話を聞きました。

綾瀬はるか起用がもたらす「重いテーマ」への親しみやすさ

制作統括の高城朝子氏は、主人公・鳴海役に綾瀬はるかを起用した最大の理由として、彼女が「周囲を明るくするハッピーオーラをまとっている役者さん」であることを挙げています。綾瀬はるかさんがこれまでに築き上げてきた明るくのほほんとしたパブリックイメージは、ともすれば暗く感じられる「終活」や「孤独死」といったテーマを柔らかく包み込み、多くの視聴者にとって親しみやすいものへと変えています。高城氏は、「綾瀬さんはほんわかした雰囲気も魅力ながら、ご自身の軸をしっかり持っている役者さんです。鳴海も一見行き当たりばったりに見えて、実は自分の軸を持って人生を謳歌しています」と、役柄と女優の共通点を指摘。タイトルが持つ衝撃性から、当初はオファーを断られる覚悟だったと言いますが、綾瀬さんが快諾したと聞いた後も、「綾瀬さんが? 本当に?」と半信半疑だったと当時の心境を明かしました。しかし、そのキャスティングの反響は予想以上で、高城氏のもとには友人たちから「鳴海役を綾瀬さんにしてくれてありがとう!」という感謝のメッセージが多数寄せられたと、その成功を笑顔で語っています。

綾瀬はるか演じる山口鳴海が終活と向き合うドラマ『ひとりでしにたい』の劇中写真綾瀬はるか演じる山口鳴海が終活と向き合うドラマ『ひとりでしにたい』の劇中写真

原作への深い敬意と演技への真摯な取り組み

作品に対する綾瀬はるかの姿勢は、その演技の細部からも明らかです。彼女自身、「笑いながら見てほしい」と語っており、そのためには並々ならぬ努力を惜しみません。劇中に登場するダンスシーンでは、実に2カ月近く練習に励み、さらには「はっぱ隊」の格好をするなど、体を張った演技にも挑戦しています。

また、原作ファンへの配慮も忘れません。「原作ファンにもちゃんと楽しんでほしい」という思いから、原作漫画と同じポーズを劇中の様々な場面で細かく再現しているとのこと。これは、原作の世界観を大切にし、作品への深い敬意を示しています。

特に印象的なのが、鳴海の「心の声」の表現です。第2回で同僚の那須田優弥(佐野勇斗)から正論を浴びせられた後、心の中で怒りを爆発させるシーンに見られるように、鳴海の心の声は、普段の会話とは異なる、どこかデフォルメされた可愛らしいトーンが特徴です。これには綾瀬自身のこだわりがあり、撮影現場で一度録音した心の声について、「完成した映像に合わせた方が良いので、改めてモノローグを録りに行きますよ」と自らMAスタジオ(映像作品の音声編集を行う場所)での再収録を提案したと言います。良い作品を作るためなら一切の妥協を許さない、彼女の「モノづくり」に対する徹底した誠実さが伺えるエピソードです。

作品の成功を支える綾瀬はるかの「誠実なモノづくり」の精神

土曜ドラマ『ひとりでしにたい』の成功は、単にテーマの斬新さやストーリーの面白さだけではありません。その根底には、主演・綾瀬はるかさんの、役柄への深い理解、原作への敬意、そして「モノづくり」に対する揺るぎない誠実な姿勢があります。彼女の持つ明るさと真摯な演技が、「終活」や「孤独死」という、とかく避けられがちなテーマに光を当て、視聴者が自らの人生を深く考えるきっかけを与えています。綾瀬はるかのプロフェッショナルな取り組みが、このドラマに唯一無二の魅力と深みをもたらし、多くの人々に心温まる感動と気づきを提供していると言えるでしょう。

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