参議院選挙での敗北を受け、自民党内で混乱が続く中、石破茂首相は続投の姿勢を崩していません。この情勢は、政権与党における深刻な内部対立を浮き彫りにしており、今後の政治動向に大きな影響を与えるものと見られています。特に、旧安倍派との確執が石破首相の決断に深く関わっているとの見方が強まっています。
国民民主党の玉木雄一郎代表と日本維新の会の吉村洋文代表が2日、ABCテレビのニュース番組「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」に生出演しました。番組では、自民党が参院選で敗北したにもかかわらず、石破首相が続投の意向を示し、混乱が続く状況が伝えられました。芸能人出演者からは、両代表に対して「今ここで!」と内閣不信任案の提出を決めるよう迫る場面もあり、議論は白熱しました。
青山和弘氏が語る石破首相の「自分との戦い」
前週に石破首相を取材したジャーナリストの青山和弘氏は、番組内で「これは自分との戦いでもある」と石破首相が語り、秋の臨時国会に向けても意欲を見せているという衝撃的な情報を伝えました。来週開催予定の自民党両院議員総会について、青山氏は、党則上、議員総会で総裁の辞任を決定することはできないものの、「石破おろし」を画策する勢力はせめて辞職勧告だけでも決議できないかと動いていると指摘しました。しかし、議事進行を執行部側が掌握している状況では、それも難しい可能性があるとし、党内で綱引きが続いている現状を説明しました。
世論調査が示す石破首相への支持と自信
青山氏はまた、朝日新聞が行った世論調査の結果を紹介し、自民党支持層に限ると「辞める必要はない」と回答した人が70%に上ったことを明らかにしました。この結果にはスタジオ内から驚きの声が上がりました。青山氏はこの調査結果を受け、石破首相が「いま自信を若干深めているところもあります」と分析。世論の一定の支持が、首相の続投意向を後押ししている可能性を示唆しました。
石破茂首相、自民党総裁としての続投姿勢を崩さず、党内混迷の渦中
辞任拒否の最大の理由と旧安倍派との確執
青山氏は、石破総理が辞任しない「最大の理由」として、「自分を引きずりおろそうとする人に負けたくない」という強い意志を挙げました。さらに、「いま自民党の中で誰が一番引きずりおろそうとしているのか、安倍派の連中だろうって思いがいま強いんです」と述べ、旧安倍派に対する石破首相の不信感が根強いことを明らかにしました。特に、世耕弘成氏や萩生田光一氏らが集まり、辞任すべきだと主張していることに対し、石破首相は「結果責任と言うけど、いまの結果を生んだのは旧安倍派じゃないか」という思いを最近特に口にしていると伝えました。この発言は、参院選敗北の責任を巡る党内の深刻な対立構造を明確に示しています。
自民党内の「石破おろし」と石破首相の続投固辞、そしてその背景にある旧安倍派との確執は、日本の政治情勢を一層複雑にしています。この内部対立がどのように収束するのか、あるいはさらに深まるのかが、今後の政局の焦点となるでしょう。