David Shepardson
[ワシントン 1日 ロイター] – 米運輸省は1日、首都ワシントンと東部メリーランド州ボルティモアを最高時速500キロで結ぶ超伝導リニアの高速鉄道計画について、環境影響評価を中止し、補助金2600万ドル(約38億3000万円)を撤回すると発表した。進行が遅れていた同計画の、事実上の頓挫を意味するとみられる。
同省は先月、西部カリフォルニア州の高速鉄道計画に対する連邦政府の補助金40億ドルの撤回を決めている。
運輸省は200億ドル規模のマグレブ・プロジェクトに対する補助金を撤回すると表明。「10年近くもの不十分な計画作業、リニアが通る予定の地域の強い反対、費用が想定をとてつもなく超過していること」などを理由に挙げた。
事業主体である米ノースイースト・マグレブ社は環境影響評価中止の決定を批判。「世界で最速かつ最も安全な地上交通システムを展開する」めったにない機会が失われると強調した。 同省傘下の連邦鉄道管理局(FRA)は、同事業がもはや実現可能ではなくなったとして、最終環境分析を行わないと説明した。環境影響評価は2016年に始まり、21年から中断している。