8月4日に38歳の誕生日を迎えた韓流スター、チャン・グンソク。その明るく陽気な姿や、クールでハンサムな魅力から、彼は生まれながらのスターというイメージを持つ人も多いでしょう。しかし、彼の半生はまるで韓国ドラマの主人公のように波乱に満ちていました。今回は、チャン・グンソクが歩んできた想像を絶する道のり、その知られざる苦労と成長の物語に迫ります。

子役時代:一家を支えるため芸能界へ
チャン・グンソクといえば、2009年のドラマ「美男<イケメン>ですね」で日本中のファンを魅了し、第二次韓流ブームの火付け役とも称される存在です。しかし、そんな彼が芸能の道に進んだのは、華やかな憧れからではなく、一家を支えるという重い責任を背負ってのことでした。元々は祖父が事業を営み裕福な家庭で育ちましたが、父親が未経験の分野に事業を拡大した結果、全てを失い一家は破産。韓流ドラマさながらに、家財道具までもが差し押さえられる事態に陥りました。
そんな中で、チャン・グンソクは美少年美少女コンテストでの優勝をきっかけにモデル業を始めます。一般的に、子役の現場には保護者が付き添うものですが、当時の彼は違いました。両親がそれぞれ生計を立てるために働きに出ていたため、グンソクはリュックを背負い、地下鉄に乗って一人で撮影現場に通っていたのです。まだ小学生だったチャン・グンソクは、家族を養うという重責を幼いながらに担っていました。

成功の陰に隠された苦悩:双極性障害との闘い
留学から帰国後、チャン・グンソクのキャリアはまさに右肩上がりでした。大きな広告契約が決まるなど、俳優や歌手として目覚ましい活躍を遂げ、経済的な問題は解決しました。しかし、その輝かしい人気の裏で、彼は人知れず深い苦悩と病と闘っていました。
2011年頃から長きにわたり、彼は双極性障害を抱えていたのです。スターゆえに感じる深い孤独感や、社会との距離感、そして常に世間の目に晒されるプレッシャーは計り知れないものでした。多くの人々に夢と希望を与える存在でありながら、彼自身の心は不安定な時期が続きました。

母の脱税問題、そして「家族との決別」
忙しい芸能生活の中で精神的な病と向き合い、不安定な日々を送っていたチャン・グンソクに、さらなる悲劇が追い打ちをかけます。なんと、実の母親が日本円でおよそ5億円もの巨額な脱税をしていたことが発覚したのです。この事態は、彼にとって計り知れないほどの衝撃と苦痛をもたらしました。
儒教の教えが根強く残る韓国では、親を敬うことは絶対的な価値とされています。どんな状況であれ、我が子として親を信じたい気持ちがあるのは当然です。何よりも母親は、彼を産み育て、辛い幼少期を共に乗り越えてきた「同志」のような存在でした。しかし、チャン・グンソクは苦渋の決断を下し、母親との縁を切ることを決意します。そして、新たな事務所で再出発を表明しました。この時の彼の心中を思うと、胸が締め付けられるほどの悲痛な思いが伝わってきます。

チャン・グンソクの半生は、幼い頃からの家族を支える重責、成功の裏に隠された精神的な苦悩、そして家族との決別という究極の選択を迫られるなど、まさに波乱万丈でした。しかし、彼はそれらの困難を一つ一つ乗り越え、自己を確立し、前へと進み続けています。彼の道のりは、ただの韓流スターという枠を超え、多くの人々に勇気と感動を与えるものと言えるでしょう。38歳を迎えたチャン・グンソクの、これからのさらなる活躍に期待が集まります。





