閖上津波訴訟、和解協議へ 仙台高裁、弁論打ち切り


 東日本大震災の際、宮城県名取市閖上地区にいた家族4人が津波から逃げ遅れて亡くなったのは防災行政無線の故障が原因だとして、遺族が市に約6800万円の損害賠償を求めた訴訟は10日、仙台高裁が弁論を打ち切り結審した。山本剛史裁判長は判決期日を指定せず、和解を勧告した。当面は和解協議を続ける。

 閖上地区では震災で約750人が犠牲になった。この日の口頭弁論で遺族の男性は「多数の犠牲者が出た原因を裁判で究明し、今後の災害対策に役立ててほしい。私たちの思いに沿った判決を期待する」と訴えた。

 昨年3月の1審仙台地裁判決は「無線の故障はさまざまな要因が重なった結果で、予見できなかった」と指摘。仮に無線が聞こえたとしても津波から逃げ切れたとは言えないとして、故障と死亡の因果関係を否定した。



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